同業の三栄建築買収に踏み切った:オープンハウスの現状を覗く

2023年8月30日 18:11

印刷

8月28日から販売を開始した新築分譲マンション「オープンレジデンシア羽根木の森」(画像: オープンハウスグループの発表資料より)

8月28日から販売を開始した新築分譲マンション「オープンレジデンシア羽根木の森」(画像: オープンハウスグループの発表資料より)[写真拡大]

 オープンハウスグループ(東証プライム。以下、オープンハウス)。都心部の狭小戸建て住宅が特徴的。マンションや投資用不動産も含め、土地の仕込みから建設・販売までを一貫して手掛けている。

【こちらも】ワンルームマンション専業:アーバネットの先々に覚える一抹の不安と、低PBR対策

 8月16日に同業の「三栄建築設計(東証プライム)の全株式を、TOBで取得する方針」と発表した。三栄建築では既に役職は辞していたが創業者で元代表が、反社会的勢力に利益供与。都公安委員会から勧告を受け、三栄建築の第三者委員会も「事実」と結論付けた。

 創業者が依然大株主として影響力を有する状態では「今後の融資等も厳しくなる」ことから、大きな懸念となっていた。そこに「白馬の騎士」として登場したのが、オープンハウスという次第。

 改めてオープンハウスを覗き込んでみようという気になった。2018年にはフォーブス誌から「アジアの優良上場企業50社」にノミネートされている。22年には経産省から「DX企業」の認定を受けている。アナリスト達からは、「泥臭い営業×デジタルの融合が成長のパワー」と聞かされた。

 収益動向は好調そのもの。2020年9月期こそコロナ禍の影響で「6.0%増収、7.5%営業増益」と伸び率鈍化となったが以降は、「40.7%増収、62.7%営業増益」「17.5%増収、18.1%営業増益」。

 そして今9月期も「15.5%増収、12.3%営業増益」計画で立ち上がり、期中に上方修正し「18.6%の増収(1兆1300億円)、18.1%の営業増益(1410億円)、18.1%の最終増益(920億円、過去最高益更新)」予想。第4四半期に業態柄売上・利益は集中するが、第3四半期で既に「売上・利益とも7割水準」を超えている。ちなみに配当も2019年9月期の63円から今期末の計画では154円。

 三栄建築がオープンハウス傘下で「立ち直る」期待を抱かせる。確かに、こんな声も聞かれる。オープンハウスにしても「パワハラ・暴言」等の報道がある。事実を確認していないので“報道”の範囲にとどめるが、時代・・・ということなのだろうか。

 株式投資の対象としてはどう取り組むのが賢明か。本稿作成中の時価は4700円台前半、予想税引き後配当利回り2.77%余。IFIS目標平均株価は、算出者の6人中4人が「強気」の6605円。押し目場面にある時価拾いの買いも魅力を覚えるが、中長期保有に誘われる。過去10年半余保有していると、修正値済み株価のパフォーマンスは8倍近い。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事