三菱電機、家電で高齢者見守る「MeAMOR」開始 サブスクで提供

2022年12月20日 17:39

印刷

 三菱電機(東京都千代田区)は20日、家電を経由して高齢者の見守りを提供するサブスクリプションサービスを開始すると発表した。名称は「MeAMOR(ミアモール)」。2023年2月3日に発売を開始し、23年度中に2000件の契約を目指す。

【こちらも】ヤマト運輸、UR賃貸の高齢者向けにIoT電球用いた「見守りサービス」

 エアコンや冷蔵庫、給湯器など同社の家電製品を活用し、室温や使用状況を把握できるようにする。スマートフォンにアプリをダウンロードするだけで使用が可能。カメラなど専用の設備や機器が不要で簡単に導入できる。

 料金は家電製品1台につき月額1,080円(税込)。家電1台からサービスが利用でき、生活スタイルに応じて対応製品を増やせる。追加する場合は、1ユーザーにつきエアコン10台、冷蔵庫3台、給湯器1台まで一律料金となっている。対応製品を増やせば、より詳細な見守りを行うことができる。

 エアコンは季節によって使わないことがあるが、コンセントに接続していれば「ムーブアイ」の機能を用いて見守りを継続する。

 離れて暮らす家族が、単身で暮らす高齢の親などを見守るなどの使用方法を想定している。冷蔵庫の開閉がどれくらいされているかや、給湯器のお湯の使用量などを通知する。室内の温度環境も見守り、気温の変化に気づきづらい高齢者の熱中症防止にも役立てる。

 長時間行動を検知できない時など、通常と異なる傾向が発生した場合も通知する。週間で家電の使用状況レポートが作成されるため、緊急時だけでなく生活の変化への気づきにもつながる。

 国内では急速に高齢化が進んでおり、2025年には3人に1人が65歳以上になると推計されている。単身で暮らす高齢者の割合も増えており、2040年には単身高齢者が896万人になるとの試算もある。

 だが、子供世帯が遠方に住んでいたり、仕事が多忙などの理由で頻繁に訪問できない場合も多く、安否確認の新しい手法が求められてきた。三菱電機はこうした需要にこたえるべく、家電をネットにつなぐだけで見守りができるサブスクサービスを開発した。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事