サッカーW杯と株価の関係は?

2022年11月22日 15:54

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●カタールW杯が開幕

 11月20日(現地時間)にサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会が開幕した。今回は初めて中東が開催地であり、W杯史上初の11月開催となる。

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 オリンピックに並ぶ4年に1回の世界的なイベントで、日本でも近年、日本戦時には渋谷のスクランブル交差点や大阪・道頓堀で大騒ぎになるなど注目度が高い。

 開催国には観光業や建設業を中心とした経済効果も期待され、今回のカタール大会では170億ドル(約2兆2,915憶円)の経済効果が想定されている。

 米国では、「W杯で負けるとその国の翌日の株価は下がる」という論文もある。

 W杯期間中は投資家が観戦に集中するため、休みを取っているという噂もある。W杯と株価の関係はどこまであり、今回のカタール大会は株価にどんな影響を与えるのか?

●カタールという国

 カタールはアラビア半島に位置しており、面積は秋田県ほどで、人口は約285万人の小さな国である。

 天然ガスなどの地下資源が豊富で、国民1人当たりの名目GDPはアメリカに並ぶ世界8位(日本は27位)で、豊かな国とも言われている。

 2011年には政府系ファンドがフランス名門チーム・パリサンジェルマン(PSG)を買収するなど、サッカーにおいても存在感を示している。

 今回のW杯は、スタジアム建設における猛暑や過酷な労働環境による人権問題や、開催決定時の買収疑惑などもあり、批判も多い。

●どこまでの効果があるか?

 経済効果という面では、建設費などのコストが当初の見込みよりもかかり、試算よりも少ないという意見もある。代表チームが勝って、一部の国民の幸福度が上がるだけという厳しい見方もある。

 日本の株価で見ると、前回のロシアW杯時の初戦で下馬評を覆して、強豪コロンビアに勝利した時は、翌日の日経平均は300円高となった。

 ただ、1998年の初出場からの過去6回分を見ると、必ずしも勝って上昇し、負けて下落しているわけではない。

 グループリーグ突破などの快進撃となれば、日本代表オフィシャルパートナーであるキリンホールディングスや、ミズノなどのサッカー用品、スポーツバーのハブやデリバリー関連などの個別銘柄が注目される。

 今回のW杯期間は11月から12月中旬で、年末相場とクリスマス商戦とも重なり、投資の面から見ても異例の大会となりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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