マスク氏のTwitter買収、その行方は?

2022年10月26日 13:20

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●イーロン・マスク氏がTwitter社買収

 米電気自動車大手・テスラ社のCEOイーロン・マスク氏が、10月28日までにTwitter社を総額440憶ドル(約6兆6,000億円)で買収することを銀行との会合で約束したと、ロイター通信が報じている。

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 元々は4月にTwitter社と買収合意され株主の承認も得ていたが、その後はマスク氏が買収撤回を表明するなど、二転三転している。

 10月に入り、買収議論は加速し、いよいよ秒読み段階となっている。果たして買収はスムーズにいくのだろうか?

●買収を巡る騒動

 マスク氏は今春、現状のTwitterでは自由な発言が展開されていないと批判しており、新たなSNSの立ち上げを検討していることをツイートしていた。

 一方で、2022年1月からTwitter株を買い進め、3月には証券取引員会への報告義務がある5%を超えている。

 その後買収を発表したのだが、7月に偽アカウントの多さを理由に撤回を表明。8月にはTwitter社のデータセキュリティに関する内部告発があり、それも買収撤回理由となっていた。

 それに対してTwitter社は、マスク氏による一方的な契約解除を不服として訴訟を起こしており、買収の撤回はマスク氏にとってもリスクとなっていた。

●マスク氏の狙いは?

 マスク氏の買収が秒読みとなった10月から再び、Twitter社の株価は50ドル台へ回復している。

 マスク氏は買収後に、従業員の75%を削減するなど大胆なリストラ計画を表明している。

 だがこれまで広告収入に頼らない、サブスクモデルの導入などをツイートしてきたが、いずれも削除しており、買収が成立すればどうなるかはわからない部分は多い。

 マスク氏は買収後に非上場化すると表明していたが、3年以内には再上場させる可能性があるとも発言している。

 SNS業界で出遅れが目立ち安値となっていたTwitter社を買収し、単に利ざやを稼ぎたいだけではという見方もある。

 また買収撤回の裁判はまだ終結したわけではなく、今回のマスク氏の対応によって延期となったが、不利とされるマスク氏側に有利に持っていきたい目論見も否定できない。

 資金調達の面でも先行きの景気悪化で、銀行が予定通り、もしくは希望通り融資してくれるかもまだわからない。

 まだまだ一筋縄ではいかないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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