トリー バーチ 2023年春夏コレクション、相反する“自由な実験&回顧”

2022年10月5日 07:59

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記事提供元:ファッションプレス

 トリー バーチ(TORY BURCH)の2023年春夏コレクションが発表された。

■“自由な実験と回顧”相反する姿勢が着想源

 デザイナー トリー・バーチがニューヨークに移り住んだ90年代の記憶をもとに、彼女の個人的かつ直感的な視点から生まれた今季のコレクション。着想源となったのは、“自由な実験と回顧”という相反する姿勢だ。ブランドシグネチャーを新たな視点で捉え直し、彼女の考えるモダン要素を反映させながら、フレッシュなコレクションを展開していく。

■ボディにフォーカスしたシルエット

 まず最初に注目したいのは、ボディにぴったりと沿うようなシルエット。羽のように軽やかなニットやスポーティーなクロップドパンツなど、タイトめのアイテムが多く登場する。加えて、ジャージー素材のバンドゥでやんわりとウエストを強調したルック、サテンのタイトなミディスカートやインド製シルクのラグジュアリーなドレスで身体を優しく包み込むかのようなシルエットも見られ、女性らしい印象に。

■異なる素材の組み合わせがもたらす軽やかさ

 トランスペアレント(透明)と不透明、反射とマット、贅沢と控えめなど相反する特徴を持った素材を使用しているのも今季の大きな特徴。ファブリックはインド製のシルク、ウール、ラメ、レースなどのラグジュアリーな素材を、コットンのTシャツやデニムなど正反対ともいえるカジュアルな素材と組み合わせている。

 たとえば、透け感のあるタイトなトップスに、マットな質感のタイトスカート、さらにスパンコールが眩しいロングスカートを合わせたスタイルは、反射とマット、贅沢と控えめなどといった二律背反の素材を混在させている。

■素材やシルエットを際立たせるカラーパレット

 カラーパレットは、ニュートラルカラーで統一したシンプルなルックがあるかと思えば、存在感のあるオプティックホワイトのタイトスカートやトップスが登場し、さらに優しいパステルカラーや、光り輝くメタリックなども提案された。規則性がない、どこか直感的で一風変わった印象のパレットだが、コレクションを通じて共通しているのは大胆なプリントや柄が登場しないこと。各ピースをあえてワンカラーでまとめ上げることで、素材そのものの質感や、計算し尽くされたシルエットをより一層際立たせた。

■90年代着想の“ドクターバッグ”やダブルTロゴのフラットシューズなど

 トリー バーチで人気のバッグやシューズからも目が離せない。バッグは、90年代にインスパイアされたゆったりとした内部と軽量さが特徴のモダンな「ドクターバッグ」や、封筒のような内部構造のコンパクトなスクエア型のショルダーバッグなどを展開。シューズは、スクエア型のソールや、カットアウトされたダブルTロゴを取り入れさりげなくアップデートしたフラットシューズなどが登場する。
さらに、今季は光沢感のあるチャームや流れる滝イメージのフープピアスなど、ジュエリーにも力を入れている。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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