北陸新幹線延伸の福井・敦賀駅前に公設書店、カフェなど併設で9月1日開業へ

2022年8月18日 07:29

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ちえなみきのオープンイメージ(丸善雄松堂など発表資料より)

ちえなみきのオープンイメージ(丸善雄松堂など発表資料より)[写真拡大]

 北陸新幹線が2023年度末に延伸する福井県のJR敦賀駅前(敦賀市鉄輪町)で、全国でも珍しい公設書店の知育・啓発施設が9月1日に開業する。書店大手・出版社の丸善雄松堂と編集工学研究所が運営するもので、名称は「ちえなみき」。敦賀市はカフェなどを併設することで駅前のにぎわい創出に大きな期待をかけている。

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 ちえなみきは延べ約750平方メートルの2階建て施設で、敦賀駅西側に位置する。新刊本、洋書、古書など約3万冊を扱うほか、知育玩具や絵本もそろえる。店内は「世界知」、「日常知」、「共読知」の3コーナーに分かれ、敦賀市内老舗店によるカフェ、ワークスペース、敦賀市の人と活動について本を通じて紹介する「本人(ほんびと)コーナー」などを併設する。名称は公募で決めた。

 公設書店はこれまで、書籍や雑誌の販売店として開設されたことがある。第1号は1992年、書店や図書館がなかった大分県邪馬渓町(現中津市邪馬渓町)で開設されたが、インターネット通販の普及や地域の人口減少で売り上げが低迷し、2008年に閉店した。

 ちえなみきは「本屋でも図書館でもない」というフレーズをPRに使用しているように、従来の公設書店と趣きを変え、本を読みながらくつろげる憩いの場、子どもたちの知育の場の色合いを強く打ち出している。

 敦賀駅西側は新幹線延伸を控え、敦賀市と民間の合同会社敦賀駅西PJが再開発を進めている。街区名称は「ツルガポルトスクエアオッタ」。市道をはさんでA、Bの両ゾーンがあり、Aゾーンにはちえなみきと小型飲食店を長屋風に集めた食の発信拠点、Bゾーンには9階建てホテル「ホテルグランビナリオTSURUGA」、「スターバックスコーヒー」が進出する。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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