あいの風とやま鉄道、富山駅西に商業施設 2024年春開業へ

2022年6月25日 08:02

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 富山県の第三セクター鉄道会社・あいの風とやま鉄道は、富山駅西側の富山市明輪町に商業施設を建設する。JR西日本グループの富山ターミナルビルと開発基本協定を結び、北陸新幹線が福井県敦賀市まで延伸する2024年春に開業する計画。富山駅周辺の散策コースの中継スポットとなり、市民の暮らしを支える施設を目指す。

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 開発計画は富山県が開いたあいの風とやま鉄道利用促進協議会で報告された。開発場所は旧北陸本線の敷地やあいの風とやま鉄道線高架下など約2,700平方メートル。施設の詳細は決まっていないが、エリアを3つに分けて施設を建設し、物販店や飲食店を誘致して駅前ににぎわいに貢献する方向が示されている。駅周辺利用者に照準を絞った店舗やスローライフ、アウトドア関係など富山らしさを出せる店舗を優先したい意向。

 開発事業者は公募を行い、富山市でショッピングセンターの「マルート」、富山駅構内で商業施設の「きときと市場とやマルシェ」を運営する富山ターミナルビル1社が応募した。あいの風とやま鉄道の選定委員会で審査し、富山ターミナルビルを開発事業者とすることを決定。あいの風とやま鉄道は近く、富山ターミナルビルと開発基本協定を結び、開発計画を詰める。

 あいの風とやま鉄道は北陸新幹線の石川県金沢市までの延伸を受け、JR西日本から経営分離された北陸本線の富山県内区間を運営している。設立は2012年で、富山県が63%出資しているほか、富山市など県内15市町村、北陸銀行、北陸電力、富山地方鉄道など地元経済界が出資者となった。

 富山駅周辺では、複合施設「Dタワー富山(仮称)」の建設を大和ハウス工業が進めているほか、富山市が富山市体育館跡地の開発を始めている。富山県と富山市はこれらの計画と合わせ、富山駅周辺ににぎわいがさらに増すことを期待している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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