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ブラックホールが中性子星を引き裂く時間は2秒に満たず 京大らの研究
重力波の存在は、アインシュタインに予言されていたが、実際に人類が初めて観測に成功したのは2015年のことだ。これまでに宇宙全体で約90例の重力波が観測されたが、いずれもブラックホールや中性子星を構成要素とする連星系からもたらされた。
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つまり、ブラックホールや中性子星を構成要素とする連星系の研究で、重力波発生メカニズムやそれに付帯して生じるガンマー線バーストのメカニズム解明につながる可能性がある。
これに着目した京都大学基礎物理学研究所とドイツのアルバートアインシュタイン研究所の科学者らは、ブラックホールや中性子星を構成要素とする連星系をモデルとする数値解析シミュレーションを試み、様々な知見を得た。この研究の詳細については、科学雑誌PhysicalReviewDで公表されている。
宇宙空間に質量のある物体が存在すると、時空に歪みが生じる。それが運動すれば、時空の歪みは減衰されずに、光速で伝播する。これが重力波だ。
だが重力波は非常に微弱で、先に示した巨大質量を持った物体どおしが合体融合するような状況でなけば、人類には検知できない。このような状況で宇宙構造に潮汐破壊が引き起こされ、それが重力波となり、遥か彼方の宇宙にまで伝播するという。
歪みのない時空ではどの点でも時間の進み方は同じだが、歪みのある時空では場所により、時間の進み方が異なる。つまり、座標の違いで時間の進み方が著しく変化する現象が、重力波発生状況下では起きている。
宇宙空間を巨大な布に例えれば、重力波が発生する場所ではそこに時間の糸によるほころびが生じているのだ。
今回の研究では、太陽質量の5.4倍または8.1倍のブラックホールが、太陽質量の1.35倍の中性子星と合体する際、これをバラバラに引き裂くのに要する時間は、ほんの2秒未満にすぎないということを明らかにしている。
この2秒未満の間に、実は様々な複雑な現象が起こっているのだという。またこの2秒間で数ミリ秒しか持続しないとされるガンマー線バースト現象が起きている可能性もあるという。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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