MonotaROの氏素性と、13期連続増益必至とみる根拠

2022年4月27日 07:19

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2021年11月に竣工した猪名川ディストリビューションセンター(画像: MonotaROの発表資料より)

2021年11月に竣工した猪名川ディストリビューションセンター(画像: MonotaROの発表資料より)[写真拡大]

 MonotaRO(東証プライム、以下モノタロウ)。工場用の間接資材(箒などの消耗品/カナヅチ・釘等の補修用具)を前12月期末で1800万点を品揃いし(49万7000点の在庫)、(中小企業主体の)677万9300店余の登録会員にネット通販を展開している異色の企業。「超」の字がふさわしい優良企業。前期まで12期間連続営業増益/連続増配、且つ過去5期間の平均営業増益率20.58%。

【こちらも】10年間の平均営業増益率17.2%、MonotaROは何故強い

 2000年10月に住商と米国グレンジャー社(工場用消耗材を扱っていた)の共同出資で、住商の社内分社:住商グレンジャー社として発足した。現社名への変更は2006年。

 言い出しっぺは現会長の瀬戸欣也氏。そう「プロ経営者」として、故潮田健次郎氏(トーヨーサッシの創業者であり、LIXILの初代CEO)に招聘されLIXILのCEOを兼任する御仁。LIXILのCEO就任後には詳細は省くが、潮田健一郎氏との確執で波風を潜ったが「株主」の支持でいまはデンと腰を据えている。

 前12月期の「20.6%増収、23.1%営業増益、1対2の株式分割を勘案すると2.5円増配の11.5円配」に対し今期計画は、19.2%の増収(2260億7300万円)も「1.0%の営業増益(243億8000万円)」といささか食い足りなさを見せる(配当は27円配)。だが更なる成長路線を走るために不可欠な施策の結果。兵庫県に猪名川ディストリビューション(在庫型物流センター)を新設するため。総床面積約18万9000m2。そのための費用増・固定比率上昇によるものである。

 が、ビジネスそのものは順調。新決算期入り後の1-2月の売上高推移は前年同期比19.5%増、新規顧客獲得数は8%増。

 私はむしろコロナ禍で不透明感が世の中を覆っていた、モノタロウの前期の在り様を評価したい。以下のような施策に注力した。

【顧客獲得】: WebサイトのSEO(上位に現すための検索エンジンの最適化)。登録顧客向けカタログの充実(例えば9月下旬には26.6万点の商品を掲載するカタログを約280万部刊行)。冒頭に記した品揃え・在庫体制の整備。

【物流対応】: 茨城県に3月、輸入品の高需要商品の出荷機能を有する延床面積約4万9000m2のセンターの稼働開始。

 また、大手企業の効率化(合理化)ニーズの高まりが、フォローの風となっていることも見逃せない。複数の工場を展開する大手メーカーでは、間接資材を工場ごとに調達しているケースが少なくない。こうした状況を企業の購買部と交渉し、モノタロウのネット上で購入することでコスト削減を図るという流れだ。

 モノタロウの連続増益は今後とも続く気配「濃厚」といえる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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