オープンハウスとプレサンスの株価動向に教えてもらったこと!?

2021年10月8日 07:32

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オープンハウス関西初進出となった「梅田営業センター」。10月1日に「天王寺営業センター」と同時オープンした。(画像: オープンハウスの発表資料より)

オープンハウス関西初進出となった「梅田営業センター」。10月1日に「天王寺営業センター」と同時オープンした。(画像: オープンハウスの発表資料より)[写真拡大]

 「自己責任で信じた株を買ったら、暫く株価(株式市場)を追うな」は、間違っていないと思う。だがそれでは、サプライズ発現で急伸する株に取り残されかねない。(個人)投資家も大変だな、と思い知らされた。

【こちらも】オープンハウス、売上高1兆円目標に成長継続へ

 前3月期こそコロナ禍の影響で8%弱の営業減益となったが、過去10年間の平均営業増益率21.6%。プレサンスコーポレーション(3254、以下プレサンス)。2020年の分譲マンション供給戸数で第1位。ウオッチしていた株だった。

 同時に過去10年間の株価動向(株式分割等を勘案した修正値で)12.6倍のパフォーマンスを残している(本稿作成時点)オープンハウス(3288)も、適宜確認する企業の1社だった。前9月期もコロナ禍にもかかわらずその反動?で「在宅勤務⇔ワークスペース確保⇒住宅見直し」の流れから、主力の戸建て事業が好調。「6.6%の増収、7.5%の営業増益」だった。

 プレサンスは昨年まで、オープンハウスの持ち分法適用会社だった。が、今年1月には、オープンハウスがプレサンスの第三者割当増資を引き受け完全子会社化(持ち株比率64.5%)した。プレサンスは今期をオープンハウスの決算期と合わせるために9月期決算(6カ月決算)に変更した。

 ハッと我に戻った?のは、9月17日。オープンハウスの通期計画の上方修正だった。「10.1%の増収、11.1%の営業増益、8円増配88円配」を第2四半期の開示と同時に、「36.8%の増収(7880億円)、54.5%の営業増益(960億円)、22円増配の110円配」と大幅に引き上げた。プレサンスの9月期決算予想(売上高:952億300万円、営業利益:118億8300万円)の上乗せが寄与した結果だ。

 株価も(引け値ベースで)5000円台だったものが、9月24日には6770円(年初来高値)まで買われた。プレサンスの時価も8月下旬には1600円台入り口だったものが、オープンハウスの上方修正を先取りする形で1992円まで上昇した。

 プレサンスの完全子会社化は既定の事実であり、オープンハウスの収益に上乗せされることは分かっていたはず。と記すのは「逃げ口上」と言われればそれまでだが、IFIS目標平均株価は「やや割高」の5995円。

 オープンハウスは荒井正昭社長が「オープンハウスグループは、2023年9月期売上高1兆円を目指してまいります」と発信している。6000円台の株価がふさわしいか否かは「1兆円目標」の進捗状況を、市場がどう判断するかにかかっていよう。今度こそ、きちんと目配りを続けたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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