短期オーバーシュートに警戒も、突っ込み場面では押し目買いが有効/後場の投資戦略

2021年7月19日 12:12

印刷

記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27584.99;-418.09TOPIX;1905.96;-26.23


[後場の投資戦略]

 週明けの日経平均は急落して始まった。国内では東京五輪の開催を前に早くも新型コロナの感染第5波が押し寄せてきているようす。先行き不透明感が強まるなか、今週は祝日の関係で国内市場は3営業日と立会日が限られることもあり、積極的な買い手の存在に欠くなか売りに大きく押される展開となっている。

 また、米国カリフォルニア州でマスク着用の義務化が再導入されたほか、東南アジアなどでも感染は広がっているようで、日本だけでなく、世界的に新型コロナのデルタ変異株が猛威を振るってきているのは気懸かり。

 来週7月最終週からは4-6月期決算が始まる。ただ、決算前のタイミングでこれだけ外部環境の不透明感が強まると、企業側も一層保守的になる可能性があり、業績の上方修正や増配のリリースは控えられそうだ。こうした見方から、決算を期待した先回り買いも期待しにくい。

 6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に債券市場で急速に進んだ売り方の買い戻しで、米10年物国債利回りは5カ月ぶりに1.2%台に低下した後、6月の米消費者物価指数(CPI)の発表直後には一時1.4%台にまで戻した。しかし、足元では再び1.2%台にまで低下してきている。依然として需給要因によるところが大きいとは思われるが、さながら世界景気の減速懸念を映しているようで気味が悪い。米長期金利の反発力が鈍いなかでは、景気敏感株の特色が強い日本株への投資姿勢が好転することも期待しづらいだろう。

 一方、日経平均は200日線が位置する27673円近辺を割り込んでおり、この水準では押し目買いも入りやすいことから、下落余地は限られてきそうだ。

 ただ、日経平均がバブル崩壊後の高値30714.52円を付けた2月16日から5カ月が過ぎている。そろそろ、信用期日の6カ月が近づいており、決算シーズンに入る直前の連休前に、信用買い方の手仕舞い売りなどが出てもおかしくない。短期的にはオーバーシュート気味に27000円くらいまでは突っ込む可能性も考慮して追いおいた方がよいだろう。

 しかし、連休前の手仕舞い売りが嵩む今週水曜あたりが需給的には一旦の出尽くしとなり、底値到達感が強まりやすい。日経平均は、27000円近辺では心理的な節目が意識されるほか、週足一目均衡表での雲上限(26550円)も視野に入ってくるため、チャート面でも底値感が意識される。また、この水準ではバリュエーション面でも割安感が出てくる。そのため、連休前の短期的な突っ込みには警戒が必要だが、26550~27000円あたりまで突っ込んだところでは押し目買いが有効となりそうだ。《AK》

関連記事