ENECHANGE、EV充電インフラ・ソフトウエア事業に参入へ

2021年6月21日 07:51

印刷

Boost Charger(画像: ENECHANGEの発表資料より)

Boost Charger(画像: ENECHANGEの発表資料より)[写真拡大]

  • Boost Charger(画像: ENECHANGEの発表資料より)

 ENECHANGEは18日、電気自動車(EV)向け蓄電池搭載型急速充電器「Boost Charger」の予約販売を6月21日から行い、EV充電インフラ、ソフトウエア事業に参入すると発表した。「Boost Charger」はアメリカのFreeWire Technologies社が開発したもので、日本での販売は総代理店であるBell Energyと販売契約を締結して行う。

【こちらも】EV充電のe-Mobility Power社、150億円調達 トヨタや日産、ホンダ、三菱自など出資

■Boost Chargerの概要

 「Boost Charger」は、低圧受電契約で設置できるEV急速充電器で、蓄電池容量は160kWh。

 通常、EVの充電にはキュービクル式高圧受電設備と呼ばれる、発電所から送られてくる6,600Vの電気を、施設で使える100Vや200Vの電気に変圧する機器を設置する必要がある。さらにそこからEVを充電するための機器も必要になり、高額の保安コスト、スペース確保といった問題が発生する。

 低圧受電契約とは、商店、工場といった施設でモーターなどの動力を使用する場合に契約するもので、「Boost Charger」はそれを利用するため、キュービクルなどの機器を設置する必要もなく、省スペースで稼働することができる。27kWで供給した電気を最大120kWに昇圧して出力するため、急速充電も可能となっている。

 充電方式は日本で最も一般的なCHAdeMO(チャデモ)方式を採用、充電口は2つ用意しており、1口最大100kW、2口同時で120kW(1口60kW)の充電ができる。1時間で約100kWhの充電が可能で、1日ではおよそ21台の充電ができる想定だ。

 主な設置場所として、ガソリンスタンド、宿泊施設、観光施設、倉庫やマンションなどの集合住宅を想定しており、ユーザーは会員登録なしで使用可能。支払い方法は現在VISA、MasterブランドのクレジットカードやICカードに対応しており、今後はiDや交通系ICカードにも対応予定。料金に関してオーナー(設置者)は時間もしくはkWhで課金単位を選ぶことができ、今後はダイナミックプライシングの対応も予定されている。

■ENECHANGEの概要

 ENECHANGEは、東京証券取引所マザーズに上場しており、主に電力やガスといったエネルギーを対象にしたエネルギーデータ事業、エネルギープラットフォーム事業を展開しているエネルギーテック企業。代表取締役CEOの城口洋平氏は、2017年に「Forbes 30 Under 30 Europe」 に日本人として初選出された。(記事:キーパー・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事