コーア商事ホールディングスは上方修正を見直し期末の増配権利取りもオンして反発

2021年6月9日 16:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 コーア商事ホールディングス<9273>(東1)は、前日8日に7円高の711円と変わらずを挟み3営業日ぶりに小反発して引け、今年5月19日につけた株式分割権利落ち後安値683円に並ぶ安値水準から底上げした。今年5月13日に発表した今2021年6月期予想業績の上方修正で純利益が連続して過去最高更新することや配当が実質増配されることを見直し、下げ過ぎ修正買いと期末の配当権利取りの買い物が再燃した。また同時に発表した自己株式立会外分売では、来年4月に実施される東証の市場再編に対応し最上位の「プライム市場」上場への準備を進めていることも、側面支援材料視されている。

■原薬販売が好調に推移し医薬品製造販売の受託製造も堅調

 同社の今2021年6月期業績は、期初予想より売り上げを5億円、営業利益、経常利益を7億8000万円、純利益を3億円それぞれ引き上げ売り上げ175億円(前期比9.1%増)、営業利益31億8000万円(同36.5%増)、経常利益31億8000万円(同34.3%増)、純利益20億円(同14.6%増)と増収増益率を伸ばし、純利益は、期初の小幅減益転換予想が増益転換し、過去最高を連続更新する。原薬販売事業では、循環器用薬や中枢神経系薬向けの原薬販売が好調に推移し、医薬品製造販売事業も、受託製造が堅調に推移したことなどが要因となった。

 配当は、業績上方修正に伴い年間10円に再増配、昨年11月5日、今年4月30日を基準日とした2回の株式分割(各1株を2株に分割)を勘案すると年間40円となり、前期実績の34円から実質6円の大幅増配となる。また同社は、今年4月末割り当てでコーア商事の創立30周年の記念株主優待策としてQUOカード1000円を贈呈している。なお自己株式立会外分売(分売価格690円、分売株式数39万6200株)は、同社株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図るためで、「プライム市場」への準備作業となる。同社は、2018年6月の新規株式公開以来、今期も含めて3回の株式分割を実施し、昨年6月の東証第1部への指定替えに際しても自己株式立会外分売を実施した。

■PERも14倍の分割権利落ち後安値は売られ過ぎを示唆

 株価は、昨年5月の前期業績の上方修正・増配でストップ高し、その後の東証第1部指定替え、今期業績の続伸予想、株式分割と続き3265円高値まで買われ、2575円で分割権利を落とした。この落ち後安値1142円からは今期第1四半期業績のV字回復着地でストップ高し、2回目の株式分割も歓迎されて1828円高値まで6割高し1703円で権利を落とした。この2回目の権利落ち以降では、業績の上方修正、再増配があったものの反応薄で落ち後安値683円での底固めが続いた。PERは14倍台と売られ過ぎを示唆しており、底上げに再発進しまず権利落ち後高値856円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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