4月外食市場、15カ月ぶりにプラス 19年比では半減 リクルート調査

2021年6月3日 16:13

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 リクルートの調査によると、4月の外食市場は新型コロナウイルスの反動で前年から倍以上に増加したものの、新型コロナの影響がなかった19年と比較して半減しており、市場全体や業態別でも厳しい状況が続いていることが分かった。

【前月は】3月外食市場、14カ月連続のマイナスに リクルート調査

■新型コロナの反動で15カ月ぶりにプラス

 1日、リクルートは2021年4月の外食市場調査を発表した。4月の外食市場規模は前年同月比838億円(208.5%)増の1,610億円となり、15カ月ぶりに前年同月比プラスとなった。

 20年4月は、新型コロナウイルスの影響により緊急事態宣言が出たことで大きく減少した反動によるもの。その前年となる19年4月との比較では53.0%減となり、2021年3月の19年比51.3%減から1.7ポイント悪化しており、厳しい状況が続いている。

 外食実施率は前年同月比22.6ポイント増の51.4%、外食頻度は同0.18回増の3.36回、外食単価は同236円増の2,306円となり、市場規模同様に3つの数値ともに増加している。ただし3月との比較では外食頻度のみ0.05回増だったものの、外食実施率は4.7ポイント減、外食単価は54円減だった。

■首都圏が4カ月ぶりに1,000億円台を回復

 圏域別の市場規模は、首都圏が前年同月比591億円増の1,014億円で、17カ月ぶりのプラスだっただけでなく、20年12月の1,361億円から4カ月ぶりに1,000億円を超えた。関西圏は同132億円の373億円となり、15カ月ぶりのプラス。東海圏は同115億円増の223億円となり、14カ月ぶりのプラスとなった。

 外食実施率は男女ともに全ての年齢層で前年同月比プラスとなり、特に20代女性が62.2%(前年同月比33.0%増)と大きく増えている。外食単価も50代男性で2,446円(同718円増)となるなど、男女ともに多くの年齢層でプラスとなったものの、20代男性が2,014円(同723円減)と大幅に減少、40代女性の2,200円(同62円減)と合わせて、2つの層でマイナスだった。

■全業態でプラスも19年比では厳しい状況続く

 全ての業態別市場規模がプラスとなった。特に和食料理店(市場規模:250億円、前年同月比:144億円増、以下同じ)、フレンチ・イタリアン料理店(117億円、78億円増)、焼肉・ステーキ・ハンバーグ等の専業店(227億円、134億円増)、居酒屋(249億円、131億円増)などで大きく回復している。

 一方、バー・バル・ワインバー・ビアホール・パブ(33億円、8億円増)、牛丼・カレー等・一品もの専売業態(23億円、1億円増)などで増加幅が少なめだった。さらに19年と比較すると、最も落ち込みの少なかった業態でもラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店が31.4%減となり、厳しい状況が続いていることが分かる。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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