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●イエレン氏が財務長官に正式決定
前米国連邦準備理事会(FRB)議長だったジャネット・イエレン氏の財務長官就任が、米議会上院の賛成多数で承認された。女性初の財務長官となる。
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今後は、新型コロナの景気対策や、インフラ再生可能エネルギー事業など、議会との調整役を果たすことが課題とされる。先日のジョージア州上院議員の決選投票でトリプルブルーを達成したが、難しい舵取りを迫られそうだ。
●イエレン氏にかかる期待
イエレン氏は指名公聴会で、新型コロナ追加対策での「大きな行動」の必要性を説き、最低賃金の引き上げにも言及した。指名公聴会では、「歴代財務長官で最も適任」と評価する議員も多かった。
イエレン氏の最初の仕事は、ワクチン配布支援や現金給付(最大1400ドル)などの総額約1兆9000億ドル(200兆円)の経済対策となるだろう。
昨年11月にイエレン氏の就任が報じられた時は株価が上昇。当初バイデン氏の勝利が決まった時には、財務長官のポストに急進左派の民主党議員が就くと懸念されていただけに、反動として期待感も強かった。
イエレン氏であれば、民主党左派だけでなく、共和党からも受け入れられやすく議会運営がスムーズになるという期待感もあった。
●厳しい舵取り
大幅な財政出動のために、財源確保が課題となる。財源確保のために、法人税の引き上げや富裕層への増税が噂されている。
2023年末まで続くとされているゼロ金利政策を正常化させるため、失業率の回復も課題になる。
財政政策と雇用回復のための財政出動をどのように両立させるか。増税には共和党からの反発も根強く、トリプルブルーで民主党優位とはいえ、議会運営は容易ではない。
中国へ制裁関税などで厳しい姿勢を見せたトランプ政権であったが、バイデン政権は融和的になると見られる。イエレン氏は公聴会で、「中国の不正な慣行は米企業の力をそいでいる」と厳しくけん制し、対中国の面でも板挟みになる可能性もある。
短期的な経済対策と長期的な金融政策や格差税制への課題は山積で、イエレン氏の豊富な経験への期待がますます高まるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
関連キーワード民主党、ジャネット・イエレン
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