欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米バイデン政策期待も抗議活動にらみ

2021年1月7日 18:13

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記事提供元:フィスコ


*18:13JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米バイデン政策期待も抗議活動にらみ
7日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米バイデン政権の政策期待で長期金利が上昇し、ドル買いは継続の見通し。ただ、トランプ大統領の支持派による抗議活動が激化すれば、リスク回避的な円買いがドルの上昇を抑制しよう。

5日に行われた米ジョージア州の上院議員選(2議席)は大接戦の末、いずれも民主党候補が勝利し、上下両院を同党が多数派を占める「ブルーウェーブ」に。前日の取引では、財政出動による円滑な政策運営への期待感から米10年債利回りが上昇。それを手がかりにドル買い基調に振れ、ユーロ・ドルは1.22ドル台半ばに軟化、ドル・円は103円半ばに浮上した。本日アジア市場でその流れは一服し、株高を背景とした安全通貨売りが優勢になった。ドル・円は円売りでやや押し上げられた後、上値の重さが意識されている。

この後の海外市場では欧州通貨や株価、長期金利に振らされる展開となろう。米長期金利は1%台を維持しており、ドル買い基調は継続する見通し。ただ、欧州連合(EU)は近くモデルナ製ワクチンの条件付き販売を近く承認する方向。また、豪政府はワクチン接種を前倒しする方針で、欧州やオセアニアの通貨に買いが入りやすい。一方、バイデン政権の発足を前に、トランプ大統領の支持者による抗議活動が激化。同大統領免職の手続きを閣僚が協議中とも伝えられ、株安を手がかりにリスク回避の円買いがドルを下押ししそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・12月建設業PMI(予想:54.6、11月:54.7)
・19:00 ユーロ圏・12月消費者物価指数速報値(前年比予想:-0.2%、11月:-0.3%)
・19:00 ユーロ圏・11月小売売上高(前月比予想:-3.4%、10月:+1.5%)
・19:00 ユーロ圏・12月景況感指数(予想:89.5、11月:87.6)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:80.3万件、前回:78.7万件)
・22:30 米・11月貿易収支(予想:-673億ドル、10月:-631億ドル)
・22:30 カナダ・11月貿易収支(予想:-35.0億加ドル、10月:-37.6億加ドル)
・23:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁オンライン討論会参加
・23:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
・24:00 米・12月ISM非製造業景況指数(予想:54.5、11月:55.9)
・02:00 ブラード米セントルイス連銀総裁オンライン討論会参加
・03:00 エバンス米シカゴ連銀総裁講演
・05:50 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演(影のFOMC)《FA》

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