10月の百貨店とSC売上、マイナス幅縮小 昨年の反動と「GO TO」効果

2020年11月26日 08:34

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が10月度の売上高を発表し、昨年の反動や「GO TO」キャンペーン、映画「鬼滅の刃」などの効果でマイナス幅が大きく縮小したことが分かった。

【こちらも】9月の百貨店とSC売上、コロナと消費増税反動減により12カ月連続マイナス

■9月からマイナス幅が大きく縮小

 24日、日本百貨店協会が10月度の全国百貨店売上高概況を発表した。10月の売上高は前年同月比(店舗数調整後)1.7%減の3,753億5,741万3,000円となり、19年10月から13カ月連続でマイナスだった。ただしマイナス幅は9月(33.6%減)から大きく縮小している。マイナス幅が1桁台に留まったのは20年2月(1.4%減)以来。

 消費税増税や自然災害のマイナス要因があった前年からの反動に加えて、「GO TO」キャンペーンが奏功して売上が伸びた。ただし入国規制の継続によりインバウンド売上は低迷している。

■宝飾品や家電が前年比5割像

 前年同月比プラスだった都市は仙台(前年同月比:10.7%増、以下同じ)、横浜(1.6%増)、名古屋(4.3%増)、神戸(6.4%増)。都市以外の地区では関東(7.4%増)、中部(3.5%増)、近畿(2.6%増)、中国(2.1%増)。マイナスだった都市は札幌(9.6%減)、東京(4.3%減)、京都(2.0%減)、大阪(10.4%減)、広島(2.4%減)、福岡(2.0%減)。都市以外の地区では北海道(4.0%減)、東北(1.4%減)、四国(4.1%減)、九州(1.8%減)。

 商品別で前年同月比プラスだったのは身のまわり品(8.4%増)、雑貨(4.0%増)、家庭用品(13.9%増)、その他(0.1%増)で、特に雑貨の美術・宝飾・貴金属(52.7%増)、家庭用品の家電(50.8%増)が大きく伸びている。マイナスだったのは衣料品(4.1%減)、食料品(6.8%減)、食堂喫茶(20.5%減)、サービス(15.3%減)、商品券(13.2%減)。

■映画「鬼滅の刃」ヒットでシネマが好調

 同日、日本ショッピングセンター協会が10月度のSC販売統計調査報告を発表した。10月の売上高は前年同月比2.4%減の4,744億1,367万5,000円となり、百貨店同様に13カ月連続マイナスとなったものの、やはりマイナス幅が9月(21.6%減)から大きく縮小しており、1桁台のマイナス幅は2月(3.3%減)以来。

 消費税増税や台風被害といった前年からの反動、「GO TO」キャンペーンの影響は百貨店同様であり、加えて映画「鬼滅の刃」の大ヒットでサービス業種のシネマが好調。ただし新型コロナウイルスの影響は続いており、特に北海道では感染者数が拡大した10月下旬から影響が見られたという。

■キーテナントが13カ月ぶりに浮上

 テナントの売上高は前年同月比3.5%減の3,802億355万8,000円となり、全体同様に13カ月連続マイナス。一方、キーテナントの売上高は同2.3%増の942億1,011万7,000円となり、19年9月(7.7%増)以来のプラスに浮上した。

 都市別では多くの都市がマイナスで、特に札幌(前年同月比:10.4%減、以下同じ)、東京区部(10.9%減)、名古屋(12.9%減)、大阪(10.1%減)、福岡(12.9%減)のマイナス幅が大きい。一方で神戸(0.4%増)のみプラスとなっている。

 その他の地域では北海道(9.4%減)、東北(2.9%減)、北陸(6.6%減)の3地域がマイナスだったが、関東(3.2%増)、中部(4.6%増)、近畿(2.0%増)、中国(0.3%増)、四国(0.3%増)、九州・沖縄(4.8%増)がプラスとなった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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