相場展望10月19日号 バイデン氏『ウクライナ疑惑』再浮上も、メディア支援 米政府、『アリペイ』を制裁リスト入り検討との報道

2020年10月19日 07:51

小

中

大

印刷

■I.米国株式市場

●1.米株式市況の推移

 1)10/15、NYダウ▲19ドルの28,494ドル
  ・欧州のコロナ感染急増で英仏が外出規制や会合禁止など規制強化を打ち出したことで投資家心理を冷やし、欧州株は大きく売られた。
  ・欧州株の大幅下落を受け、米株も▲330ドル余り下げて始まったが、トランプ大統領の追加経済対策は大幅積み増しとの言及もあり、期待感が高まり景気敏感株が買い戻され、下げ渋った。
  ・大型経済対策の実現を見込んで、景気敏感株を買い・ハイテク株を売るという持ち高調整が続いているとの声がある。

【前回は】相場展望10月15日号 バイデン氏の政策は、保護主義傾向が強く、 色濃いオバマ回帰・トランプ否定

 2)10/16、NYダウ+112ドル高の28,606ドル
  ・予想上回る9月小売売上高を好感、欧州当局がボーイング737MAXの運行再開を認めボーイング株は大幅高となって、景気敏感株の買いを誘い、NYダウを押し上げた。
  ・9月小売売上高は前月比+1.7%増と市場予想+0.7%と8月+0.6%を上回り、好材料。
  ・失業給付の増額などの政府支援が途切れ、消費減速が懸念されたが、予想以上に堅調だった。

●2.米大統領選挙候補者による最終のテレビ討論会は10/22に予定、最大のヤマ場を迎える

●3.バイデン候補、ウクライナ疑惑で新たなEメールが明らかになり、「致命傷」になるかも?(FNNプライムオンラインから抜粋

 1)バイデン候補の次男ハンター氏は、天然ガスの資格も知識も無いがウクライナのガス会社「ブリスマ」社の取締役に2014年に就任し月額報酬5万ドル(約550万円/月)を得ていた。

 2)ブリスマ社はウクライナ検察から、ある疑惑について調査を受けていた。

 3)2015年、バイデン氏が副大統領としてウクライナの首都キエフを公式訪問した際、米国からウクライナに10億ドル(約1,100億円)の援助と引き換えに、「ブリスマ」社を巡る疑惑で捜査していた検事総長の罷免を、ウクライナのプロシェンコ大統領らに要求した。

 4)その直後、この検事総長は罷免され、「ブリスマ」社は検察からの捜査・訴追から逃れた。

 5)この件に関して、バイデン候補は「副大統領の地位を利用して、息子が取締役をするブリスマ社が訴追されるのを防いだ」と言われてきた。しかし、バイデン氏は、「ブリスマ社の関係者に会ったことは無い」と否定し続けてきた。

 6)ところが、息子のハンター氏が修理に出したまま捨ておいたパソコンが修復され、「あいつら、ものの見事に(検事総長)をクビにしたよ」とのバイデン氏の発言ビデオが残っていた。加えて、パソコンからのEメールで、「ブリスマ」社の幹部からハンター氏宛てのメールも発見された。その2015年4月17日付のEメールには、「ハンター氏がブリスマ社幹部をワシントンに招待して、バイデン副大統領と会って話しできた」ことと、幹部が「ハンター氏にその感謝と、翌日の打ち合わせの問い合わせ」のメールをしたことも記録として残されていた。

 7)このパソコンのデータは、米連邦捜査局(FBI)も捜査の手掛かりにしていると言われ、ハンター氏の中国やロシアとの金銭疑惑について調査している上院国土安全委員会にも渡っている。

 8)ところが、バイデン支持を公表しているニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙など有力メディアは、バイデン陣営が否定するのを伝えるだけ。民主党に好意的なフェイスブックとツイッターは、この情報源が疑わしいとして、この記事へのリンクを停止した。SNS大手がここまで検閲をしたことは、逆にバイデン候補にとって『致命的な』証拠になるかもしれない。

 9)トランプ陣営は、さっそく「バイデンは、嘘をついて家族ぐるみで蓄財を隠していた」というテレビCMを集中的に放送したが、果たして有権者はどう受け止めるのだろうか。

(注)8月25日号「バイデン氏を待ち受ける『チャイナ疑惑&ウクライナ疑惑』」を参照。

●4.バイデン陣営、9月の寄付金は3.83億ドル(403億円)と過去最高

 1)8~9月合計7.5億ドル(789億円)で、10月資金として4.32億ドル(454億円)が残る

 2)トランプ陣営の9月寄付額は現時点では明らかにされていない。

●5.米新規失業保険申請件数、前週比+5.3万件増の89.8万件と予想82.5万件を上回った

 1)エコにミスト予想は82.5万件だった。

●6.NY連銀製造業景況指数、10月は10.5に低下(市場予想14)

 1)前月9月の17からも低下した。

●7.米国コロナ感染者800万人・死者22万人と、冬を前に増加ペースが速まり「第3派」警戒(CNNより抜粋

 1)ここ1週間の感染者数は毎日5.3万人以上が報告され、1カ月前から55%増えた。

 2)米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、年末を前に感染ペースの上昇に危機感を表明。他の専門家も、今年は非常に難しい冬になると指摘している。

●8.企業動向

 1)モルガンS  7~9月期は、トレーディング収入+22%増で、過去2番目の高利益。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)10/15、▲8安の3,332
  ・大型連休明けの10/9、10/12は消費が活発で株価は上昇したが、10/19に発表される各種統計(9月小売売上高、鉱工業生産、7~9月期GDP成長率)を見極めたいとするスタンスが強まって小反落した。

 2)10/16、+4高の3,336
  ・9月元建て新規貸し出しが予想以上に伸びたことを好感、景気対策期待も支援材料となったが、週明けの7~9月期の国内総生産(GDP)発表を控え、慎重ムードが強まった。

●2.中国「輸出管理法」成立し12/1施行、米国の禁輸措置に対抗(毎日新聞から抜粋

 1)中国の全国人民代表者(全人代)常務委員会で10/17、ハイテク製品の輸出管理を強化する輸出管理法案を可決・成立した。

 2)今回の輸出管理法は、
 (1)中国の技術や製品を使用・輸入する最終的な顧客企業だけでなく、
 (2)中国から輸入した原材料などを加工し、部品などの中間財を外国企業に「再輸出」する企業も含まれる。

 3)米国の対中国制裁に同調した企業なども制裁対象になるとの懸念も出ており、日本や世界各国の企業に打撃を与える可能性がある。

●3.米政府、『「アリペイ」を制裁リスト入りの提案』との報道に、中国が反発(TBSから抜粋

 1)米国務省が、中国の決済サービス「アリペイ」を運営する企業アント社を、制裁リストに加えるように提案したとする報道があった。
  ・ロイター通信は10/14、米国務省が中国のアリババ傘下の金融会社「アント」を輸出禁止の制裁リストに加えるよう、トランプ政権に提案したと報じた。
  ・アント社は世界で10億人以上が利用するスマートフォンの決済サービス「アリペイ」の運営会社。
  ・米国は、中国政府がアント社を通じて機密情報にアクセスすることを懸念している。

 2)中国外務省は10/15、米国の覇権行為に反対する、と強く反発し、対抗措置を示唆した。

●4.米政権は、中国チベット自治区の人権問題を取り扱うチベット担当調整官にデストロ国務次官補を指名(Bloombergより抜粋

 1)デストロ次官補は、中国に対して、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世との対話や、チベット人の宗教や文化、言語を守るように促すと声明を出した。

 2)中国チベット自治区の斉主席は10/15、強制的な労働移動は無く、移動は住民の自由意思で、移動のための補助金を支給していると記者会見で述べた。中国外務省は、米国は、中国の内政問題に干渉し、チベットを不安定化することを意図した「政治工作」だと述べた。

●5.中国共産党、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)開催、10/22~29まで

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)10/15、日経平均▲119円安の23,507円
  ・米国の追加経済対策の成立困難、フランスのパリなどでの夜間外出禁止が重荷になり、海外景気先行き不透明感から、投資家はリスク回避姿勢となり、売りを促した。

 2)10/16、日経平均▲96円安の23,410円
  ・欧州での新型コロナ感染再拡大で、景気回復が遅れるとの懸念から売り優勢だった。
  ・東証1部売買代金は5日連続の2兆円割れで、閑散相場が続く。

●2.企業動向

 1)ユニクロ  2020年8月決算は、最終利益は前年比▲44.4%減の+903億円の減収減益。
         柳井氏は、「コロナ危機に上手く対応できた」と、減益からV字回復を予想。
 2)西武    業績悪化のため財務基盤強化で800億円の資本支援(みずほ銀、日本政策銀)
 3)ANA    4,000億円の資金調達で、三井住友銀など4行と日本政策投資銀が応じる。
         10/27決算発表で、人件費削減や路線の見直しなど合理化策も併せて公表へ。
 4)サイゼリヤ 8月年間決算で赤字▲34億円と、11年ぶりの赤字決算。来年も赤字予想。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・6141 DMG森精機   デジタル化した製造現場・工程改善の提案で好調。
 ・6113 アマダ      レーザー光線マシンでコスト削減・省エネを顧客に提案。
 ・3939 カナミック    介護事業にクラウド業務管理システムを提供。
 ・6432 竹内製作所    ミニショベル好調で、2021年利益増。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

記事の先頭に戻る

関連キーワード日経平均NYダウ中国国内総生産(GDP)ウクライナアリババサイゼリヤ

関連記事

広告

写真で見るニュース

  • 画像はイメージです。
  • ボルボ「S60」(画像: ボルボ・カー・ジャパン発表資料より)
  • ミニムーン20CD3 (c)  International Gemini Observatory / NOIRLab / NSF / AURA / G. Fedorets
  • SUBARU Labが入るH¹O渋谷三丁目の共用ラウンジのイメージ(画像: SUBARU発表資料より)
  • N-BOX、N-BOXカスタム:発表資料より
  • 新型N-ONE RS(画像: 本田技研工業の発表資料より)
  • モーガン・エアロ 1922年式 (c) sawahajime
 

広告

ピックアップ 注目ニュース