ヤシマキザイで改めて痛感した「兜町流」発想法

2020年9月29日 18:57

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 茅場町を歩き、中堅証券のエクイティ部長と話をした。改めて、兜町(しま)の住人の「着眼力」に驚かされ感心したものである。

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 「ヤシマキザイ(東証2部)が面白い」と言うのである。同社には失礼ながら、その存在を知らなかった。四季報を借り初めて知った。特色欄には「鉄道関連部品の専門商社。車両の車体用品や電気部品が柱。産業機器や自動車製造向けも展開」とあった。業績欄も【経費抑制】の見出しで「主力の鉄道事業は前期の受注残多く堅調。一般事業はコロナによる景気低迷を受け受注低調だが、外出自粛に伴う出張減少など経費抑制し営業益底入れ」とあった。

 なにが「面白いのか」頷けなかった。エクイティ部長氏は「材料欄を読んでよ」と言いながら、ヤシマキザイが8月20日に配信した『感染症対策用「YAM」シリーズ発売のお知らせ』というリリースのコピーを持ち出してきた。四季報の材料欄にも「自社オリジナル製品:感染症対策製品」について記されていた。確かに室内用抗菌・抗ウイルスコーティング剤・除菌剤に注力の方針を示していた。新製品について調べてみた。以下の様な具合である。

 「リキッド・YAM・R」-スプレーガンによる吹き付け施行用。

 「ルーム・YAM」-エアゾール缶による吹き付け施行用。施行することで抗菌・抗ウイルス効果が得られる。空間内を無菌にこそできない。また新型コロナウイルスへの効果は明記されていないが、菌やウイルスをコーティング面で不活性化・減少が可能を「売り」にしている。

 既に新シリーズも京成電鉄や北総鉄道に採用されている。「鉄道会社を中心に取引先を深耕させていくが、病院やホテル市場開拓・拡充にも注力していく」としている。

 そういえば昨今、電車を利用するとこんな内容のメッセージをよく耳にする。「当●●鉄道では、車内の除菌・ウイルス除去の清掃作業を定期的に行っている。また駅構内や駅舎ビルのエスカレーターなどの手摺りの除菌清掃を頻繁に行っている。皆さんにも車内の空気換気のため、窓開けにご協力頂きたい」。

 ヤシマキザイのIR関連のどこをみても、「YAM」シリーズの収益貢献に関しての記述には出会えない。が、件のエクイティ部長氏は「我々が積極的に訴求していくことで、同社のイメージアップにつながり、その浸透度が株価にも影響する」とした。

 ちなみに株価動向は3月13日の1238円を年初来安値に、8月21日には2000円まで上昇(反発過程でのチャートの週足が依然マドを開けているのは気になるが)。時価も1800円台終盤で強張っている。

 さて、しまの「着眼」は思惑通りにいくのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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