日産・新型フェアレディZ登場 (2) 「ポルシェシンクロのミッション」とアメリカンGT

2020年9月17日 11:21

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新型フェアレディZプロトタイプ(画像: 日産自動車の発表資料より)

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 フェアレディ240Zにプレミアムが付いたのは、欧州製スポーツカーのハンドリングの良さをあまり高く評価しないなど、走行性能は気にせず豪快に加速する大排気量車を好む傾向がアメリカ人にはあったからだ。フェアレディZは、そこそこ(当時のアメ車に比べればバツグンの)ハンドリング性能と価格の安さ、そしてスタイリングが受けたものと考えられる。確かにフェアレディZは、ポルシェなどと比べ量産車の部品を集めて造っているため、コストが安いメリットがあった。

【前回は】日産・新型フェアレディZ登場 (1) 初代S30はスカイラインGTなどの量産車部品で出来たGT

 エンジンは、セドリックやスカイライン2000GTと同じL型で、サスペンションもスカイライン2000GTやブルーバードSSSなどと同一のものだった。そんな共通量産部品の中で、当時注目されたのは「ポルシェシンクロのミッション」だった。

 トヨタのスポーツカーがワーナータイプのシンクロナイザーであったが、ポルシェタイプは「サーボシンクロ」とも言い、シフトレバーを押し付けると余計にシンクロ効果が発揮され、ダブルクラッチを踏まなくても「50km/hからローに入る」と評判が高かった。トヨタのミッションではギア鳴りがひどく、故障の原因となってしまう。量産車に広くポルシェシンクロを使用するなど、当時は「技術の日産」であったのだ。

 しかし、この当時のサーボシンクロは、そのメカニズムゆえに「グニャッ」と入るフィーリングがあり、スポーツ走行を楽しむユーザーには評判が悪かった。すると、次の世代のスカイライン2000GTは「ロー・セコンドだけポルシェシンクロ」にして、残りはワーナータイプのままとする細かい芸当まで日産は見せていた。今なら、トヨタ・GRヤリスMTのように電子制御で自動的にシンクロしてくれる。

 「フェアレディ」の後輪半楕円リーフ(トラックと同じ板バネ)・リジッドアクスルから、「フェアレディZ」はストラット、コイルスプリング独立懸河となり、格段に進歩した足回りとなって操縦性に寄与していた。しかし、フロントヘビー(前後重量比50:50と言われていたが、動的モーメントはきつい)のFRで、クロスプライタイヤではアンダーステアがきつく、決して現代のカローラのような鋭い反応を示すものではなかった。

 だがアメリカ人は、こうしたアンダーステアはあまり気にしていなかった。何しろ7Lや8LのV8エンジンで後輪タイヤを激しく空転させ白煙を吐きながら、柔らかすぎる板バネでリジットアクスルをばたつかせて発進していくのがアメリカンスタイルだったからだ。

 しかし、ダットサン・フェアレディZの成功によって、「安かろう、悪かろう」とした日本の自動車に対する評価は劇的に変化していくきっかけとなったのも確かだった。さらに、日本の小型車の爆発的北米進出により、日米貿易摩擦が始まるのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 日産・新型フェアレディZ登場 (3) 「新型フェアレディZ プロトタイプ」から読み取れるもの

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