投資信託の「基準価額」とは? 投資信託で利益を得る仕組み

2020年9月15日 11:48

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 投資信託協会の発表によると、2020年8月末時点の個人向け投資信託の残高が約113兆円となり、過去最高を更新した。

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 個人による投資信託への投資の流れは、加速している。いわゆる「老後2,000万円問題」や社会保障への不安が、多くの人の心を投資に向けているのだろう。だが、投資信託についての知識が曖昧なまま投資をしている人も少なくない。

 そこで当記事では、投資信託を購入する上での前提知識となる基準価額と、投資信託への投資で利益を得る仕組みについて解説する。

■投資信託の基準価額とは

 投資信託を購入する際に、「基準価額」という言葉を目にするのではないだろうか。投資信託の価格になっていることは理解できても、はっきりとした意味を理解している人は少ない。

 基準価額とはすなわち、投資信託の値段のこと。次のような式で求められる。

基準価額=純資産総額÷総口数

 純資産総額とは、投資信託に組み入れられている資産(株式や債券など)の時価評価額の総額から、運用費用などを差し引いた額である。総口数とは、投資信託の取引単位のことで、1万口あたりの基準価額が表示されていることがほとんどだ。

 例えば、ある投資信託の純資産総額が150万円で、投資家が購入した口数が100万口数とする。式に当てはめると、次のようになる。

150(万円)÷100(万口数)=1.5円/口

基準価額は1万口あたりで表示されるので、この投資信託の基準価額は1万5,000円となる。

■投資信託の収益の仕組みとは

 投資信託への投資で得られる利益は、次の2つだ。

売却益(キャピタルゲイン)
分配金(インカムゲイン)

 売却益は、投資信託を購入したときの基準価額よりも、売却したときの基準価額が小さいときに得られる利益だ。

 例えば、購入時、基準価額が1万円だった投資信託を基準価額が1万2,000円のときに売却すると、売却益は2,000円になる。

 一方の分配金とは、保有している投資信託の運用益から、定期的に利益が投資家に分配されるお金のことだ。分配金のある投資信託は、定期的に利益が得られることで人気がある。だが注意したいことがある。それは、分配金は投資信託の資産から分配されているため、純資産総額が減少し、基準価額が下落する恐れがあることだ。

 以上のように投資信託の利益の仕組みを理解して、投資信託の選択に活かしてほしい。(記事:たけお・記事一覧を見る

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