太陽が連星として誕生した可能性 ハーバード大学の研究

2020年8月19日 06:22

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太陽と連星のイメージ図。(c) M. Weiss

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 太陽は現在のところ単独で輝いている恒星である。しかしながら、このことは広大な宇宙の中ではむしろレアケースであり、連星として存在する恒星のほうが多い。このような事情から以前から太陽には連星が存在していたとの仮説もあった。

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 この仮想上の恒星はネメシスとも呼ばれているが、実在が確認されたわけではなく、あくまでも空想の世界の存在でしかなかった。しかしながら、8月18日にアメリカ天文学会誌である天文学ジャーナルで、太陽が連星系として誕生したことを示唆するハーバード大学の研究者による論文が公表された。

 この論文によれば、太陽はかつてそれと同等の質量を持つ連星を伴っていた可能性が示唆されている。その根拠は、太陽系誕生の基となった星間物質(その残骸は現在オールトの雲と呼ばれている)が、十分に集積するには太陽に相当する質量だけでは重力が足りず、それと同等の質量の連星が存在していたと仮定しなければ、星間物質の集積された原因がうまく説明できないからだ。

 また、現在の太陽系においてはエッジワースカイパーベルトに相当する星間物質円盤と、それよりはるかに外周にあるオールトの雲における物質の存在比率の実態を、太陽単独モデルによるシミュレーションではどうしても再現ができないが、連星の存在を仮定することでその再現も可能になるという。

 別の科学者らによって、エッジワースカイパーベルトの外周では、プラネットナインと呼ばれる地球質量の約10倍となる惑星の存在も示唆されている。この惑星は実在は確認されていないものの、今回の論文では、プラネットナインの由来も説明できると主張しており、プラネットナインと同じような由来の惑星がたくさん存在している可能性もあるという。

 太陽系にあるあらゆる天体の動きを追跡していくと、プラネットナインのようにある程度具体的な軌道要素や質量を特定した仮想惑星の存在を仮定しないと、説明がつかないという事情にぶち当たってしまう。プラネットナインはこれからの観測技術の進歩によって発見される日が来るかもしれないが、太陽と一緒に誕生したと仮定されている双子の片割れ星は今頃どこをうろついているのかは見当もつかない。

 研究者は銀河系のどこかを周回しているはずだと主張するが、それではいつの日に巡り会えるのかも全く見通しが立たない。50億年前に起きた事件の謎ときは一筋縄ではいかないのだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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