準惑星ケレスで海氷の痕跡物質を確認 地球以外で初 NASA探査機ドーン

2020年8月11日 06:35

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準惑星セレスのオカットルクレーターに見える白斑状の地形 (c) NASA / JPL-Caltech / UCLA / MPS / DLR / IDA

準惑星セレスのオカットルクレーターに見える白斑状の地形 (c) NASA / JPL-Caltech / UCLA / MPS / DLR / IDA[写真拡大]

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 この夏NASAの探査機ドーンの観測データに基づいた画期的な発見がもたらされた。英国科学論文誌Nature Astronomyで8月10日に公開された研究論文によれば、準惑星ケレスでハイドロハライトという海氷で一般的に見られる物質が、地球以外の星で初めて発見されたとのことだ。

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 ドーンは”夜明け”を意味し、太陽系の初期の状態がそのまま残されていると考えられている準惑星ケレスと小惑星ベスタの観測を通じて、太陽系誕生の謎を探る目的で打ち上げられた探査機である。

 準惑星とは球形を保てる質量を持ち、火星と木星の公転軌道の間の小惑星帯に他の天体と群れを成して存在する小惑星の一種で、2006年8月の国際天文学連合(IAU)の総会で新たに定義されたものである。つまり、小惑星は球形でないモノも含まれ、しかも小惑星帯に存在していない天体も含まれるのに対し、準惑星は球形で小惑星帯の軌道を回るという小惑星の中でも比較的大きく、特別な存在である。

 海の存在の間接的な証拠となるハイドロハライトは、準惑星ケレスにある直径92kmのオカットルクレーターにあるセリアリアファキュラドームと呼ばれる白斑状に見える地形で発見されている。

 オカットルクレーターの誕生は今から約2,200万年前だが、ハイドロハライトが噴出し始めたのは最近の2万年の出来事だという。科学者たちがそのように考える理由は、ハイドロハライトという物質が非常に不安定な存在で時間の経過とともに消失してしまう運命にあるからだ。

 しかもオカットルクレーターでは今からおよそ900万年前に低温火山活動が始まっている。つまり、2,200万年前に準惑星ケレスに微惑星が衝突し、その際の熱と衝撃が約1,300万年かけて低温火山活動をもたらし、今回のハイドロハライトの発見につながったのだ。

 このような小さな星で火山活動が確認された事実は驚きに値する。また地球以外の星で海の誕生につながる物質が発見されたことは、生命誕生がどんな星でも起こりうることを示唆している。さらに地球上で海が誕生したのも今回ケレスで発見されたような事象が、ごく短期間の間に何度も繰り返されたことによるのかもしれない。隕石衝突が海と火山ができるきっかけになっていたとはまさに驚きの事実だ。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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