コロナ関連の破たん350件に 依然高水準で推移 東京商工リサーチ

2020年7月25日 19:00

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 東京商工リサーチは22日、中国発・新型コロナウイルス感染症の影響を受け破たん(負債1,000万円以上)した国内事業者数が、先週末より15件増え、累計で350件に達したと発表。7月は22日時点で56件に達し、100件を超えた6月より少ないものの依然として高水準を維持。

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 国内経済は緊急事態宣言や県を跨ぐ移動の自粛が解除されてから回復傾向にあったものの、第2波への警戒が広がる中、景気の先行きが見通せない状況。破たんが10件以上発生した地域は、東京や大阪に限らず9都道府県まで拡大した。

 東京都の発表によれば、都は25日まで17日連続で100人以上の新規感染者が確認されている。近隣の埼玉県や神奈川県のほか、大阪府や愛知県などでも感染者数が急速に増えている。感染者に占める若者の割合は引き続き多いものの、しばらく減少していた重症者数が増加に転じ、医療体制が逼迫するリスクも懸念されている。

 コロナで弱った景気の回復を狙った政府の施策「Go To トラベル」が22日にスタート。一方、直近の感染状況などから東京発着の旅行が直前で対象外となり、都内を中心に一部の宿泊施設はキャンセルが相次いだ。また、4連休初日の23日には全国の1日あたり感染者数が過去最多となり、東京都の小池知事など一部の首長が不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。飲食業や宿泊業など影響を受けやすい事業者を中心に、景気停滞から抜け出すにはまだ相当な時間がかかる。

  新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間25日午後4時時点で1,573万人超、死者数は63万人を超えた。1日あたりの世界の新規感染者数は約23万人と、久々に前週並を維持した。アメリカ、ブラジル、インド、南アフリカでの感染者増が目立つ。

 国別の累計感染者数は、アメリカの411万人超を筆頭に、ブラジル228万人、インド133万、ロシア79万人、南アフリカ42万人、メキシコ37万人、ペルー37万人、チリ34万人、英国29万人が続く。

 世界的パンデミックの原因となった中国は24日、四川省成都市にける米総領事館の設立および運行許可を取り消したと発表。アメリカが21日にテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要求したことへの対抗措置だ。世界各国がコロナ感染症対策に追われる中、米中間の緊張は高まるばかり。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数を集計した。22日17:00時点で350件に達し、このうち283件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。飲食業、アパレル関係(製造、小売)および宿泊業が引き続き目立つ。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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