2020年上半期の飲食店倒産は398件、過去最多ペースに 帝国データバンク調査

2020年7月11日 08:13

印刷

画像はイメージです。

画像はイメージです。[写真拡大]

 帝国データバンクが2020年上半期における飲食店の倒産動向調査を発表し、酒場・ビアホールなどを中心に、過去最多だった2019年を上回るペースで飲食店の倒産が増えていることが分かった。

【こちらも】新型コロナ関連の企業破綻、6月は103件 初の月100件突破 東京商工リサーチ

■上半期の倒産件数398件は過去最多

 10日、帝国データバンクが2020年上半期における飲食店の倒産動向調査を発表した。法的整理で負債1,000万円を越えた飲食事業者の倒産件数は398件で、上半期としては過去最多の件数を更新した。

 下半期も同様のペースが続くと仮定した場合、年間の倒産件数は796件となり、これは18年の653件から2年連続で増加するとともに、これまで最も倒産件数が多かった19年の732件を超えて、年間でも過去最多を更新する見通し。

■過去最多を越えそうな酒場・ビアホールなど

 業態別で最も多かったのは酒場・ビアホールの100件。ついで中華・東洋料理店が55件、西洋料理店が52件。以下、日本料理店(39件)、バー・キャバレーなど(38件)、喫茶店(32件)、その他一般飲食店(27件)、一般食堂(26件)、すし店(14件)、そば・うどん店(9件)、料亭(6件)と続く。

 19年の業態別倒産件数の上位では、酒場・ビアホールが161件、中華・東洋料理店が106件、西洋料理店が120件、一般食堂が64件、喫茶店が65件、バー・キャバレーが63件、日本料理店が51件などとなっている。酒場・ビアホール、中華・東洋料理店などは全体同様に過去最多を更新しそうな倒産のペースとなっている。

■バー・キャバレーの倒産は2008年がピーク

 一方で過去最多の倒産件数に届きそうにない業態もある。例えばバー・キャバレーが過去に最も倒産件数が多かったのは08年の99件。一般食堂は11年の90件、すし店も11年の38件が最多だった。各業態ともに20年上半期の倒産件数はここ数年では多めながらも、これらの過去の最多倒産件数を超えるほどには増えていない。

■負債額5,000万円未満企業の倒産が8割を下回る

 負債総額の内訳件数を見ると最も多かったのが5,000万円未満の318件。ついで5,000万円以上1億円未満が47件、1億円以上5億円未満が27件、5億円以上10億円未満が3件、10億円以上50億円未満が3件、50億円以上はゼロだった。

 5,000万円未満の倒産件数が最も多いことは過去と変わっていないものの、その割合は79.9%で14年(77.3%)以来6年ぶりに80%を下回った。また50億円以上の倒産は13年上半期から発生しておらず、比較的小規模な飲食企業の倒産が多い傾向が続いている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事