5G実装のスマートシティ化、今後14年間に世界経済へ2.2兆ドルの恩恵か

2020年6月26日 17:10

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 「コロナ禍によって成長速度が鈍化しているとはいえ、5Gネットワーク対応端末の出荷数は2020年末に世界で1億2800万台になる」と、GSMアソシエーション大中華地区総裁・スーハン・チェン氏は6月15日に語った。最近の急速な5Gインフラ敷設により、中国国内では去年末に予想した数字の3倍に迫る、9485万台の普及を見込んでいるとも述べた。

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 コロナの震源地・武漢がいち早く5Gによるスマートシティ化に着手し、全世界に5Gの可能性を実践している形だ。これより今後14年間で、世界経済は5Gにより2.2兆ドルの恩恵を得ると予想されている。2019年の世界GDPの4.7%、4.1兆ドルは、モバイルテクノロジーと関連サービスによって生み出された。2024年までには約4.9兆ドル、2034年には5G効果により少なくとも6.3兆ドル以上に拡大すると概算されているのだ。

 チェン氏の主張を裏図けるように、中国では2020年1月から5月までの4カ月間に、モバイル端末出荷量の37%が5G端末であった。注目すべきはその販売価格で、スタンダードモデルでは1600元、日本円では2万5000円を切る価格まで最安値は下がっている。この価格的優位性によって、今年度末までに全世界の5Gネットワーク利用者の74%が中国人となる目算だ。これらは世界のモバイル事業をけん引するGSMAのデータ分析によることから、チェン氏の言葉には信ぴょう性がある。

 5G普及による具体的な貢献対象としては、まずIoTが挙げられる。5G時代の生活インフラには不可欠な要素で、グローバルIoTは2025年までには1兆ドル産業化になると見込まれる。

 また金融サービスが5GベースのE2EE(端末to端末)による取引を普及させ、当たり前のようにスマート・コントラクトが行われるようになるだろう。完全自動運転が5Gによって実現可能となり、モバイル端末からのオーダーに応える時代もすぐそこまで来ている。テレワークを支える情報通信スペックが進歩し、経済の地域拡散にも貢献するはずだ。

 また、人類の約半分がモバイルインターネットに接続されている現在ではあるが、5年後には60%を超える50億人に達するという。2034年までには80%とも85%とも普及率は拡大し、5Gベースのスマートシティで利便性・安全性の高い社会生活が実現し始めると期待されている。

 ここに挙げた予測・数字はかなりの確からしさをもつ分析値であり、今後の経済ベクトルにそった近未来予想図である。資金の投入先として、今5Gをキーワードにした事業・企業が狙い目となりそうだ。(記事:TO・記事一覧を見る

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