日米中銀の動きと物色動向に注目/後場の投資戦略

2020年6月23日 12:32

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記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22621.84;+184.57TOPIX;1591.45;+12.36

[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は朝方200円を超える上昇となったのち、米中協議を巡るナバロ氏の発言を嫌気して一時3ケタの下落となるなど荒い値動き。ここまでの上下の値幅はおよそ418円となっている。11日に40.79まで急騰した米株の変動性指数(VIX)は22日には31.77まで低下してきたが、なお節目の20を大きく上回る。東京市場でも株価変動率(ボラティリティー)が高止まりしやすいか。ただ日足チャートを見ると、22100円手前に位置する25日移動平均線に接近した局面で長めの下ひげを付けた格好となり、結果的に底堅さも印象付けただろう。

 売買代金上位を見ると、米ハイテク株高を受けて半導体関連の一角が堅調だが、トヨタ自やOLC<4661>のように経済活動再開の流れを好感した物色も見られる。一方、任天堂などコロナ禍で強さを発揮した銘柄は利益確定売り優勢。業種別騰落率でも内需・ディフェンシブセクターから景気敏感セクターへの資金シフトが窺える。株価の乱高下とともに売り買いが交錯したため、ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円弱と前日までより増加。このところ常態化している中小型株の売買代金上位入りは見られない。新興市場ではマザーズ指数が6日ぶりに反落しているが、日経平均同様に売り一巡後は下げ渋っている。

 トランプ氏がナバロ氏発言を打ち消すように「中国との貿易合意は全く損なわれていない」などと投稿し、一時1ドル=106.70円台まで上昇した円相場は一転、足元で107.20円近辺まで急落している。米政権内で発言に一貫性がない点はやや懸念されるが、後場の日経平均は円相場の下落を受けて堅調に推移しそうだ。

 さて、先週末にかけて日米の中央銀行の動きが話題となった。1つは、コロナショックを受けて積極的な流動性供給を行っていた米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート(BS)拡大に一服感が出てきたというもの。内容としては通貨スワップを通じた日欧中銀へのドル資金供給、国債等を担保に資金供給するレポオペなどが減少してきたという。短期ドル資金のひっ迫が緩和しつつあるだろうから当然の流れだが、未曽有の資金供給を背景とした「全資産高」の再来は期待しにくくなったか。とはいえ、BSが明確に縮小傾向に転じてこなければ、潤沢な投資資金の循環が続くとも考えられる。

 また、国内では19日、前引けの東証株価指数(TOPIX)下落率が0.34%という状況で日銀の上場投資信託(ETF)買い入れ(通常分で1001億円)が実施された。前引けのTOPIX下落率が0.5%に届かない日の実施は手元の記録で5月15日以来となる。拡大した「12兆円枠」の消化ペースに批判もちらほら見られるため、今後の実施状況に注目したい。売り方にとっては一段と手掛けづらくなりそうだ。

 こうしたなか、日経平均は日中値幅こそやや大きいものの、日足チャートでは22000円台でこう着感を強めてきた。主要中銀の積極緩和や経済活動の再開機運が下値を支える一方、新型コロナ再拡大への警戒感が上値を抑えている。全般に売買低調となってきているのは価格硬直性が強まってきたからとも考えられる。しかし、かねて指摘しているとおり、コロナ禍でも成長が見込めるハイテク株のように、個別株の値上がりに活路を見出す投資家は多い。また、ドル需給の緩和による円強含みが重しとはいえ、本日のトヨタ自のように買い安心感が出てきた出遅れバリュー株(割安株)にも投資資金が向かいやすいだろう。但し、バリュー株物色は銘柄選別色が強いとみておきたい。「買える銘柄は買いたい」投資家が多いことが窺え、相場全体を下支えしそうだ。(小林大純)《AK》

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