コマツのスマートファクトリー (4) 決算書から説明できる専門家を私は知らない

2020年6月22日 10:45

小

中

大

印刷

■決算書から説明できる専門家を私は知らない
 筆者は、2つの工程を結合させ、その間の仕掛在庫を省略すると、軽くNC旋盤設置資金の数倍の資金が削減できることに気付いたのだった。投資が必要なく、有利子負債を必要とせず、金利負担を軽減し、その分の返済計画を必要としないことになるのだ。

【前回は】コマツのスマートファクトリー (3) 中間在庫を無くす努力が全て

 決算上では利益率が向上し、総資産が減少することとなって表れるだけだ。売上高が上昇している局面では、この差を決算書から見抜ける人は少ない。決算書から説明できる専門家を私は知らない。

 現在のトヨタの【利益率の高い「理由」】を、決算書の数字から説明できる人がどれほどいるのであろうか?逆に、減産場面では「なかなか赤字にならない」と言った状況で差が出てくることとなる。通常は、有利子負債の「金利負担」により、すぐに赤字となる場面である。

 かつて日産が事実上倒産し、カルロス・ゴーン元会長が登場した当時の状況だ。また、現在のコロナ禍による状況が減産の場面だ。

 コマツもその後、当然にこのことに気付き、「ロット生産」から「多種少量生産」「混流生産」に進歩していったのである。コマツは商売が上手で、国の施策に食い込んでいたこともあって転換のチャンスを生かすことが出来たのであろう。

 だが、私の会社の親会社は、「多種少量生産」の資金効率の良さを見抜くことが出来ずに終わっている。私が新日鉄などと共に提案した時の経営者は、財務経理分野では日本の頭脳と見られた人物だった。しかし、結果としては「商売人ではなかった」と言えるのであろう。

 「トヨタかんばん方式」は、一部の投資家のための「有り余る資金を活用する」ために行う経営でなく、総資金量を削減し、国民(社員)に配分される利益を生む経営に結び付く方策であろう。

 資金量が少なくて済めば、自己資本の範囲で経営できるチャンスが広がる。よって、緊急事態に際し、無駄(ムダ)のない言動を要求される「新型コロナ感染対策に通じる道」であると確信している。

 これから縮小した世界経済の中で生き残るため、企業の資金効率を高める必要があると考える。コマツが進めてきたスマートファクトリーなどの改革をさらに推し進める方向性は、インダストリー4.0(第4次産業革命)に対応できる唯一の方策であろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: コマツのスマートファクトリー (5) スマートファクトリーで何を「見える化」?

関連キーワードトヨタ自動車カルロス・ゴーンコマツ

関連記事

広告