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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発が世界中で進められている。だがウイルスの変異スピードが速ければ、標的としたウイルスに対するワクチンの効果が追いつかない可能性もある。米ジョンズ・ホプキンス大学は10日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が変異する速度が遅いことが判明したと、発表した。
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■ワクチン開発まで続く可能性がある感染拡大
2019年12月に中国で発見された新型コロナウイルスは、世界中で流行し、6月15日時点で感染者数は789万人、死者は43万人を超えている。感染拡大を防ぐために、ロックダウンやソーシャルディスタンス、マスクの着用等の対策が各国で実施されたが、ウイルスが完全に根絶することはない。
ウイルスは生存のために、突然変異によって時間とともに進化する。その変異の数は、ウイルスによって違いがある。呼吸器疾患を引き起こすウイルスとしてインフルエンザウイルスが挙げられるが、変異が速いために毎年予防接種の必要がある。
■ワクチン開発に有利な変異速度
ジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは、ワクチンや治療法のデザインに役立たせるために、新型コロナウイルスのゲノム配列の決定を試みた。解析の結果、遺伝子の変化が遅いことが判明したという。
米国のボルチモアやワシントンで新型コロナウイルスのサンプルから取得したデータは、ほかの国のものと似ているという。研究グループによると、ウイルスの拡散により遺伝子の変異が増えているが、異なるウイルス株に変化していないという。
ワクチン開発の戦略にとって、新型コロナウイルスの変異が遅いことはメリットがある。ウイルスのスパイクタンパク質がヒト細胞の受容体と結合することで、新型コロナウイルスは体内に侵入する。だが世界中で配列の決定した2万個以上のサンプルで、この感染メカニズムに変化は確認されなかった。
問題も残る。ウイルス感染から回復するにせよワクチンを接種するにせよ、免疫がどの期間継続するかに関しては不明だという。研究グループは、ウイルスに対する予防に必要な免疫応答を理解することが第一歩だとしている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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