東北大、黒さと電気抵抗両立のセラミックス薄膜開発 デザイン性持つタッチパネル実現へ

2020年6月5日 07:33

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従来のタッチパネル(上)と研究グループが開発した材料を用いたタッチパネル(下)(写真:東北大学の発表資料より)

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 スマートフォンやタブレットに使用されるタッチパネル。デザイン性を高める反射防止パネルには光学的な黒さと高い電気抵抗が求められるが、両立が困難だった。東北大学は3日、この2つを両立可能にしたセラミックス薄膜を開発したと発表した。

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■デザイン性の高さが求められるタッチパネル

 IoTの進展により、IHクッキングヒーターや自動車の計器盤など、タッチパネルの用途は拡大傾向にある。タッチパネルの一番外側を構成する反射防止パネルには、デザイン性が求められるものの、従来は透明だったため、電源がオフのとき外部からの光による反射により内部が透けるという問題点があった。

 これを防ぐためには、反射防止パネルに光学的な黒さが求められる。タッチパネルでは指が接触した場所を静電気で特定するために、反射防止パネルには電気を通さない性質が求められる。だが、黒い材料は一般的に電気をよく通すために、2つの性質を両立させることは困難だった。

■カーボンよりも黒く電気抵抗は金属の100万倍

 東北大学と日本電気硝子の研究者から構成されるグループは、セラミックス薄膜が光を吸収する特性を調査してきた。その結果、銀と酸化鉄から構成される複合体がカーボン以上に可視光を吸収し、一般的な金属の約100万倍の電気抵抗をもつことが発見された。

 原子レベルで金属がセラミックス中に分散されたことが理由だと研究グループは考察している。金属とセラミックスが分離するには不十分な温度で合成されたことにより、高い電気抵抗が実現できたという。

 研究グループは、光学的な黒さと高い電気抵抗を兼ね備えた反射防止パネルの実用化には1~2年かかると予想している。本材料が液晶ディスプレイのカラーディスプレイに使用されることで、映画やゲーム等で多く用いられる暗い色の表示が美しくなることが期待されるという。

 研究の詳細は、国際学術誌physica status solidi (RRL) – Rapid Research Lettersに2日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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