トヨタ自動車、通期営業益は前年比246億円減 20年度は台数減少により営業益大幅減の見通し

2020年6月4日 20:30

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記事提供元:ログミーファイナンス

連結販売台数

近健太氏(以下、近):近でございます。本日は弊社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。まず、新型コロナウイルスにより亡くなられた方々に深くお悔やみを申し上げますとともに、療養されている方にはお見舞いを申し上げます。そして、医療従事者の方々をはじめ、日々懸命に取り組まれている皆さまに心より感謝申し上げます。

また、トヨタの車をご愛顧いただいている世界中のお客さま、そして、私どもの企業活動を支えていただいている株主の皆さま、販売店、仕入れ先の皆さまに深く感謝申し上げます。

それでは、2020年3月期の決算についてご説明いたします。当期の連結販売台数は、前期に比べ1万9,000台の減少となる895万8,000台となりました。これは、主にアジアにおいて、タイ・インド・インドネシアなどでの市場悪化に伴い、販売が減少したことによるものです。なお、新型コロナウイルス感染拡大により、12万7,000台の減少の影響がありました。

連結決算要約

当期の連結決算は、売上高29兆9,299億円、営業利益2兆4,428億円、税引前利益2兆5,546億円、当期純利益2兆761億円となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大により、売上高に3,800億円の減収、営業利益に1,600億円の減益の影響がありました。

連結営業利益増減要因

営業利益の増減要因についてご説明いたします。為替変動の影響により3,050億円の減益、原価改善の努力により1,700億円の増益、販売面での影響により900億円の減益、諸経費の増減・低減努力により450億円の増益となりました。この結果、為替・スワップ評価損益の影響を除いた営業利益は1,250億円増益となりました。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響1,600億円の内訳は、台数減の影響で1,000億円、金融事業で引当金を積んだ影響で600億円となります。

所在地別営業利益

所在地別の営業利益について、スライド左側から順にご説明いたします。まず、日本の営業利益は、販売面での影響などにより、前年同期を1,218億円下回る1兆5,685億円となりました。

北米の営業利益は、営業面の努力、諸経費の低減などにより、前年同期を1,454億円上回る2,895億円となりました。欧州の営業利益は、営業面の努力などにより、前年同期を196億円上回る1,407億円となりました。

中国の連結子会社を含むアジアの営業利益は、中国元安やタイバーツ高などにより、前年同期を669億円下回る3,868億円となりました。その他地域の営業利益は、為替変動の影響などにより、前年同期を69億円下回る826億円となりました。

中国事業/金融セグメント

中国事業、ならびに金融セグメントについてご説明いたします。まず、中国事業について、連結子会社の営業利益は前年同期を162億円下回る1,344億円となりました。中国元安による為替の影響を除けば、309億円の増益となっております。持分法適用会社の持分法投資損益は、営業面の努力などにより、前年同期を131億円上回る1,181億円となりました。

金融セグメントについては、貸倒引当金の増加などにより、前年同期を326億円下回る3,097億円となりました。

株主還元:配当金

株主還元についてご説明いたします。当期の普通株式の期末配当金は、1株あたり120円とさせていただきます。これにより、当期の配当金は中間配当100円と合わせ、年間で220円、配当成功は29.9パーセントとなります。

従来より、連結配当成功30パーセントを目安に安定的・継続的に配当していく方針としており、当期の収益実績を踏まえ、前期と同額の配当とさせていただきました。今後も引き続き、安定的・継続的な配当に努めてまいります。

株主還元:自己株式取得

次に、自己株取得ですが、今期末還元分については見送りとさせていただきました。すべてのステークホルダーの皆さまとともに、自動車産業の競争力をより高めていくこと、また、新たなモビリティー社会づくりへの取り組みを継続していくため、未来への投資を積極的に行っていくため、手元資金を確保したいと思います。皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

前提台数(連結販売)

続きまして、2021年3月期の見通しについてご説明いたします。なお、当社は2021年3月期の第1四半期よりIFRSを適用するため、連結業績の見通しはIFRSに基づき算出しています。

見通しの前提とした連結販売台数は、前期に比べ195万8,000台の減少となる700万台としました。新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの国・地域で緊急事態宣言やロックダウンが続いております。先々を見通すことは非常に難しく、地域別・国別にも状況が異なっておりますが、全体としては販売が4月を底に徐々に回復して、年末から来年にかけて前年並に戻ることを前提としております。

今後の感染拡大収束の状況などが非常に見通しにくいため、地域別の台数につきましてはご容赦いただければと思います。

連結決算見通し要約

次に連結決算の見通しです。為替レートの前提をドル105円、ユーロ115円といたしました。通期の業績見通しは、営業収益24兆円、営業利益5,000億円を見込んでいます。持分法による投資損益以下の見通しは未定です。

連結営業利益見通し増減要因

営業利益の増減要因についてご説明いたします。為替の前提を前期より円高めに設定したことにより4,300億円、グローバルに販売台数が減少することにより1兆5,000億円の減益を見込んでおります。また、台数以外の影響はプラスマイナスゼロとしております。原価改善、営業面の努力、固定費の増減、車種・種向け構成の変動などが含まれております。

引き続き、TPS、原価の作り込みの取り組みや仕事の変革を行いながら、未来に向けた種まきは強い意思を持ってしっかりと継続し、モビリティーカンパニーへの変革を加速させてまいります。

以上で決算に関するご説明を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。

質疑応答:新型コロナウイルスの影響を踏まえた業績の評価、業績予想の算定根拠について

質問者1:大きく2点ご質問させていただきます。1点目は、2020年3月期決算の総括と評価、2021年3月期の業績予想に関してです。2020年3月期は先ほどご説明もありましたが、期末に新型コロナウイルスの影響がありました。こうしたなかで、今回の業績について、どのように評価しているかお聞かせください。

業績予想に関しては、新型コロナウイルスの不透明な情勢を鑑みて公表を見送る企業が目立ちますが、今回このタイミングで一定の見通しについて公表された理由、算定の根拠についてもう少し詳しく教えてください。

:ご質問ありがとうございます。まず、2020年3月期の実績の総括ですが、新型コロナウイルスの影響は先ほど申し上げたとおりで、それを含めますと、台数の減少および減収減益の決算でした。

また、6ページの増減要因のスライドを見ていただければと思うのですが、増減要因のなかで、為替やスワップの影響を除く、スライドでは真ん中のボックスで囲んでいる部分が1,250億円の収益改善でした。

「もし」というのはあまりよくありませんが、もしコロナの影響がなければ、ここは2,850億円の収益改善でした。ここ数年、この為替やスワップの影響を除くところを常にプラスにしていくことで、収益構造が改善してきましたが、この2,850億円の改善は、ここ数年でも大きな改善であったと思っております。また、ここ数年連続してこの改善ができたことも、お客さまのご愛顧のおかげでありますが、非常に大きかったと思っております。

一方、諸経費の増減のところは、労務費、減価償却費、そして研究開発費は主に未来に向けた投資を積極的に行っているものではありますが、本当に無駄がないのかという面で見ると、やはりまだまだ課題が残っていると思います。この部分については、今回の決算の課題であったと思っております。ただ、繰り返しますが、継続的に収益改善ができたことは非常によかったと思っております。

2021年3月期の評価については、おっしゃるとおり、市場や販売を見通すことが非常に難しいなかで公表させていただきました。実務レベルではやはり非常に見通しが難しく、社内で豊田に相談をしたときも難しいなとは思っていたのですが、社内で何か基準をつくってしっかりと異常管理異常管理をしていくためには、やはりなんらかの計画が必要だということです。

また、私どもは自動車産業のOEMということもありまして、非常に裾野も広い産業でございますので、なんらかのよりどころというか、基準を示すことも必要じゃないかということで、今回見通しを公表させていただきました。ただ、やはり市場等を見通すことはなかなか難しく、地域別の台数等は少しご容赦をさせていただいております。

前提としては、4-6月期の販売が前年比で6割ほど、7-9月期で8割ほど、10-12月期で9割ほどで、その後前年並みに戻っていくといった前提をおいて計算しております。また、その費用につきましても、今回は短期収益だけを見てということではなくて、いま社内ではやめること、変えること、やり続けることという3つの活動を進めております。

今回は、やめる、変えるということだけではなく、未来への投資および新たなモビリティー社会に向けた投資はやり続けるということが反映された見通しになっております。

普段でしたら詳細の増減分析をお示しできるところですが、今回はそこまでに至っておりませんで、お示しできず申し訳ございません。以上が2021年3月期の状況です。

質疑応答:中国市場・国内市場の販売状況について

質問者1:2点目は、足元の販売状況についてです。中国市場は新型コロナウイルスの収束が早く、市場全体が持ち直していますが、そのなかでトヨタは4月の販売実績が前年同月を上回るなど、他社と比べて回復が早いように見受けられます。

また、国内市場についても、市場全体の落ち込みと比べて、トヨタの減少幅はやや小幅にとどまっています。これらの要因分析について、ご見解をお聞かせください。よろしくお願いします。

:中国市場の状況について、他社と比較して私どもが持ちこたえているというところですが、おっしゃるとおり、中国では4月の実績が100パーセントを少し超えたくらいになりました。

乗用車全体では少しマイナスが続いていたかなと思いますので、少し市場よりもよいということだったと思いますが、やはりこれは新型車の影響と、ハイブリッドモデルを中心にしたモデルが非常にお客さまにご愛顧をいただいているということで、カローラ、レビン、RAV4、そして今年(2020年)2月に発売したワイルドランダーという新車もございますが、そういった新型車が非常にご愛顧いただいているのではないかと思います。

国内につきましては、非常に厳しい状況ではございますが、5月に入り全チャネル販売がスタートいたしましたので、比較的お客さまが欲しい車がお求めやすくなったということもあります。

あとはKINTOという新しいサブスクリプションサービスも始めまして、お客さまにはよりいろいろな選択肢をご提供できているのかなと思っております。以上です。

質問者1:ありがとうございました。

質疑応答:北米・欧州市場の見通しおよびサプライチェーンの寸断について

質問者2:まず、主要国の市場についてです。先ほど回復のめどについて、個別の市場について見通しは詳細をいえないということでしたが、北米や欧州の今期の動向、見通しを教えていただきたいです。

北米などでは、メキシコからの部品供給の懸念もあったり、中国・東南アジアからも部品をグローバルに使っていると思いますが、供給網の寸断というところに懸念がないのか、もしあるとすればどのように対応していくのか、そのあたりを教えてください。

:まず、主要国の市場の状況ですが、地域別に見通すことが少し難しい状況ではあります。北米に関しては、5月頃から徐々にロックダウン等の規制が緩和されているということで、少しずつではありますが稼働も始まっております。

新型コロナウイルス収束後は、もともとが非常に強い経済でしたし、政府の非常に強力な下支えもございますので、2021年の早い段階で前年並みに戻るのではないかということを前提とさせていただいております。

欧州につきましても、ほぼ同様の状況です。政府の経済施策もありますし、販売は7月以降徐々に回復していくという前提を置かせていただいております。これもアメリカ同様、2021年の早い段階で前年並みに戻るということを前提にしております。

質問者2:供給網のところを教えていただけますか?

白柳正義(以下、白柳):サプライチェーンの寸断ということでは、今回コロナウイルスの対応でいろいろ問題は出ています。振り返りますと、東日本大震災のときに、サプライチェーンの見える化ということで、「レスキュー」というシステムを構築しまして、かなりチェーンの深いところまで、サプライチェーンが見える状況になってきています。そうしたことを踏まえて、当時は具体的な問題がある場所の特定に2週間ほどかかっていましたが、いまは半日ほどで特定できるところまできています。

また、日常のBCP対応の強化ということで、仕入れ先の皆さまにもご協力いただき、事故の未然防止、そして代替生産の実行力の向上、自社の復旧力の向上と、減災対応も含めた取り組みを地道に進めてまいりました。

今回のことを振り返りますと、中国一極の感染のときには、なんとか代替資産を含めて、欠品なく乗り越えることができましたが、感染がグローバルに拡大したため、代替生産の場所の確保ができない、現地で現物の確認をすることができない、そして支援も送れないということで、我々にとっては初めての経験になっています。

正直、こうしたことにこれからどのように対応していくかということについては、いまは答えがございませんが、仕入れ先の皆さまと知恵を絞りながら考えてまいります。

質疑応答:手元資金について

質問者2:2点目が財務についてで、手元資金についてお教えていただきたいと思います。本日(2020年5月12日)、4月に1兆2,500億円の融資枠を設定したということも発表されていますが、現状の手元資金は十分だと考えているのか、あるいはサプライヤーさんの支援なども含めて、まだまだ足りないものなのか、そのあたりの考え方を教えていただけないでしょうか。

:手元資金の状況ですが、融資枠1兆2,500億円借入を実行させていただいております。現状、手元資金が非常に不足しているとは感じておりませんが、やはりこれから、ものづくりおよび自動車産業をしっかり守って事業を継続していくために……我々は幅広い取引先さまと我々は取引をさせていただいておりますし、その皆さまと一緒にものづくり、自動車産業をやっているわけですので、厳しい先様が出てきたときにしっかりと資金供給ができるように、いま備えているところです。

ただ、現在の手元資金で十分かどうかということについては、いまはとくに不足だとは感じておりません。

質問者2:ありがとうございます。

質疑応答:新車投入計画への新型コロナウイルスの影響について

質問者3:よろしくお願いします。1点目ですが、新型コロナウイルスの影響で、2021年3月期も含めて、将来の新車投入計画に何か影響はありますでしょうか。2019年4-6月期の決算会見のなかで、2021年末までに18車種を新たに投入するというお話でしたが、そのことについて変更ありますでしょうか。

:新車投入計画に影響があるかというご質問ですが、一部では将来の新車計画が少し遅れるケースも若干あります。開発に少し遅れが生じているというケースがございます。

また、今回のことを機に、本当にいつもあたりまえのように繰り返している、マイナーチェンジですとか、「マルカ」と呼んでいる小変更等をもう一度見直そうということで、いま社内で検討しております。

大変申し訳ございませんが、2021年までに18車種がどうなるかということは、いま手元にございません。ただ、それほど大きな変更はないのではないかと、推測ですがご回答を申し上げます。

質疑応答:ウーブン・シティの計画について

質問者3:研究開発費について、先ほど未来への投資をしていくというお話がありましたが、ウーブン・シティの計画についていまのところ何か変更はありますでしょうか。加えて、ウーブン・シティについて、現状で考えていらっしゃる投資額の総額について伺えますでしょうか。

:ウーブン・シティの計画についての変更ということですが、先ほどご質問をいただいたなかで、やめる、やり方を変えるだけではなく、やり続ける、しっかりとやり抜くということを一生懸命進めていると申し上げましたが、ウーブン・シティに関しては、そのやり続ける、やり抜くということだと思っております。

ですので、もちろん細部ではいろいろな状況変化や、お客さまのニーズの変化によって変わってくる部分はあるかもしれませんが、従来の計画に大きな変更はありません。投資額については、いま計画を詰めている最中でして、金額をお示しできるような状況ではございません。

質問者3:ありがとうございます。

質疑応答:営業利益の見通しについて

質問者4:営業利益の見通しについてお伺いしたいと思います。今期、いま走っている期の営業利益がなぜこれほど低く見通されているのでしょうか。この終わった期に関しては非常によい業績が出ていらっしゃいましたし、欧州市場についても自信を持っていらっしゃると思います。そして、アメリカ市場での売上面に関しても回復基調にありますし、中国でも先ほどのご説明にあったように回復されてきていると思います。

こうしたことを踏まえて、なぜこれほど悲観的な営業利益の予測になっているのでしょうか。

:営業利益の見通しをどうしてここまで低く見ているのか、欧州やアメリカ、中国市場は回復しているのに少し低いのではないかということですが、まず、営業利益の見通しは5,000億円と公表させていただきました。前提台数は、連結販売台数で700万台です。前年に比較しておよそ20パーセントの減少です。

一方、中国等を含んだ、いわゆるトヨタ・レクサスの小売販売に関しては、800万台ということを前提にさせていただいております。これは前年の実績が940万台超でしたので、約150万台の減少ということになります。

おっしゃるとおり、中国の市場に関しては、3月に8割、4月には100パーセントを当社の販売は達成しておりますので、やはり回復してきているかなと思います。アメリカにつきましても、4月の販売は、もともともっと低くなるのかなと思っていましたので、そういった計画からは少し上積みをしております。

ただ、先ほども申し上げたのですが、先行きについてはここから確実に回復するということを見通せる状況ではないものですから、今回1つの前提としての計画として置かせていただきました。

おっしゃるとおり、アメリカ・欧州では少しずつ稼働も戻りまして、回復の芽が見えておりますので、販売の機会を逃さずにしっかりといまの前提に上積みできるように活動していきたいと思います。

質疑応答:北米工場の稼働再開について

質問者4:2つ目の質問です。北米に関して質問させてください。一部の製造拠点で生産稼働を開始されたと伺いましたが、フルスピードで稼働させるにはあとどれくらいかかるのでしょうか。

:北米の生産が少しずつ始まり、フル生産稼働までにどれくらいかかるのかということですが、まず今回、稼働の再開にあたっては、やはり連邦政府の安全のガイドライン、従業員の安全・安心に配慮して進めることが大前提です。いまはそれを守りながらソフトローンチし、少しずつ生産を始めております。

ですので、現段階でどのタイミングになるとフル生産になるかということは非常にお答えしにくいのですが、現在の前提としては、4月を底に少しずつ回復し、年末から(2021年)年初にかけて、昨年並みの状況に戻るということを前提としております。

質疑応答:サプライチェーンの見直しについて

質問者5:先ほどの質問とかぶってしまうかもしれないのですが、サプライチェーンについて質問がございます。新型コロナウイルスの影響でサプライチェーンが寸断したことを受けて、政府は緊急経済対策の一環として、生産拠点の国内回帰などを支援するために2,435億円を補正予算に盛り込みました。

これについての受け止めと、今後サプライチェーンの見直しなど対策をとっていくお考えがあるのかなどの見解をお聞きしたいと思います。

白柳:ご指摘のとおり、サプライチェーンの寸断につきましては、今回いろいろな混乱があったと思っています。

各地域あるいはグローバルに必ず残せる生産台数をどのように維持するかという答えを、これから真剣に考えなければいけないと思っていますが、やはりどこかの地点に集中して拠点を持つということはリスクがあるということがあらためてはっきりしました。

代替生産ができる拠点の分散は、今回の話を踏まえても必要になってくるのだろうなと思います。さらに、その拠点間のやりとりをいかに早くして、代替に切り替えられるかということの実行力のようなものも考えていかなければいけないと思っています。

政府からも支援をいただけるということですので、こういったことの利用・活用ができるかどうかということも含めて、これから検討してまいります。

質疑応答:アメリカの中古車市場の下落による金融事業への影響について

質問者6:アメリカの中古車市場について少し教えていただきたいと思います。中古車の価格の下落が金融危機並みに激しく落ちているかと思いますが、それが御社の金融事業に与える影響、今後をどう見ていらっしゃるかというところについて教えてください。

:まずは、アメリカの中古車市場の下落が当社の金融事業にどういう影響を与えるかということですが、おっしゃるとおり、4月に中古車市場の価格が非常に大きく下落をしました。

私どもは、とくにアメリカですと、TMCCという大きな販売金融子会社がございますが、そちらの今年度の計画においては、やはりある一定の中古車価格の下落が起こるであろうと想定しております。

中古車価格の下落が起こりますと、1つはリースの残価が少し落ちるということで、少し金融的な言葉にはなりますが、残価損が拡大するということを見込んでおります。また、1つ前の期になりますが、今年の3月決算が終わった期の決算を締めるときには、すでにそういったことの予兆が見られておりました。

これに対して、先期、2020年3月期にも、金融事業ではこれに備えた引き当てを行っております。先ほど申し上げたように、金融事業で新型コロナウイルスの影響が昨年600億円ありましたのは、主に貸し倒れと残価損の引き当てを昨年行ったというものです。ある一定のそういったことを見込んで計画を立てています。

質疑応答:新型コロナウイルスの影響を踏まえた生産現場の自動化の進展について

質問者6:2点目に、今回、いろいろなサプライチェーン・ディスラプションが起きたなかで、また新型コロナウイルスの影響を受けて、生産現場の従業員の安全性を確保することが非常に大きな課題だと思いますが、そのなかで生産現場の自動化が進むかどうかということについて、御社の見通しをお伺いできればと思います。

白柳:今回の新型コロナウイルスのことで自動化が進むかということですが、ご指摘のとおり、人の接触を減らしていくという社会になっていくことも踏まえますと、やはり省人化・自動化というところは時代の流れになっていくのではないかと思います。

ただ、現時点で私どものほうでこれを契機によりいっそう進めるということが議論されているわけじゃなくて、従来の延長線上でしっかりと自動化・省人化を進めていくということで進めてまいります。

質疑応答:開発・設計の現場におけるリモートワークについて

質問者7:開発の遅延が少し見られるということですが、御社では開発設計におけるリモートワークというのはどのくらい進んでいらっしゃるのでしょうか。

おそらくリアルなものづくりの現場とは違い、どうしてもうまくコミュニケーションができない等、難しい点があるのではないかと認識しております。

:開発遅延が起こっているなかで、開発や設計の現場におけるリモートワークが進んでいるかというご質問ですが、実際に開発職場などにおいても、かなり在宅勤務、リモート勤務が進んできております。

もちろん、最後には実車で確認・評価をするといった工程はございますが、CADといいますか、設計ツールをリモートでもしっかり使えるようにするなどの取り組みを急速に進めており、設計者の方が自宅でそういったものを使えるようになってきています。いま手元に「何割」と示せるものがないので恐縮ですが、相当進んできていると思います。

もちろん、最後に皆で図面を広げて行うというプロセスがまったくないかというと、いまはまだそれが残っておりますので、さらにリモートでできるような余地はないか、もっとデジタルでやれる余地はないかということを、継続して各カンパニーがトライしているところです。

質疑応答:トヨタ車の品質について

質問者7:もう1つは、このコロナ禍において、やめることや見直すことがあるとお伺いしましたが、直近でデンソー製の燃料ポンプ322万台のリコールということが起きております。

トヨタ車といえば、高品質でうならせた定評のある車だと思いますが、ここにきてトヨタ車の品質に何が起きていると認識されていらっしゃるでしょうか。

:やめること、見直すことに関連して、「品質のトヨタ車が……」というお話がありましたが、まさにやめること、見直すことに絶対にしてはいけないのが品質確保で、お客さまの安全・安心と品質だと思っております。その考えは、以前からまったく変わっておりません。

リコールに関してお客さまに大変ご不便をおかけしているということで、大変申し訳ないと思います。いま申し上げたような考えはまったく変わっていないということでご理解いただければと思います。

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