コロナ禍での物価への影響は? インフレかデフレか

2020年6月4日 13:58

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●コロナ後はインフレか?デフレか?

 5月25日に全国で緊急事態宣言が解除された。新型コロナウィルス感染拡大が終息後に、日本の物価はどうなるのだろうか?

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 物価の高騰によるインフレか、それとも需要が減退し、まだまだデフレが続くのか?

 緊急事態宣言後、外出自粛や休業要請によって、消費が冷え込んだことは誰の目に見ても明らかである。

 ここ数年、好調だったインバウンドも外国人観光客を呼び込むこともできず、大きく影響を受けた。海外との往来ができないため、サプライチェーンにも大きな影響を及ぼした。

 今回のコロナショックは、インフレかデフレのどちらに傾くのだろうか?

●リーマンショックなどとの違い

 リーマンショックなどの金融危機は、消費者の所得が減って買いたくても買えない、生産者側は売りたくても需要が無くなって、売れないという状態になる。

 リーマンショックでは、日本を含む先進国のGDPが軒並み減少し、物価が下落した。

 今回は、買いたくても外出制限や、感染リスクが怖くて買えない。生産者側は工場停止や物流の停止も引き起こし、作りたくても作れない状態になっている。

 マスクのように品不足になる物は物価が上昇するが、消費者心理が冷え込むと物価が下がる。

●需要面と供給面どちらに影響が大きいか?

 どちらの縮小が大きいかで、インフレになるかデフレになるかが決まる。

 コロナショックは、需要の減退と供給の喪失の2つの側面がある。これからの感染拡大の期間によって、インフレ、デフレどちらに傾くかが変わってくる。

 東日本大震災のようなサプライチェーンが被害を受ける供給能力の喪失は、人手不足による賃金の引き上げや、物価も引き上げると言われている。

 スペイン風邪のように、働き盛りの世代中心に犠牲者が大きいパンデミックなら人手不足に陥り、インフレになる。しかし、今回は働き盛りに犠牲者は少ないため、人手不足になる心配はない。

 今回積極的に導入されたリモートワークなどで効率化を図れる職種なら、感染の長期化による企業業績悪化がリストラに繋がりかねない。

 感染が早期に終息したとしても、ソーシャルディスタンスが意識されて、外食産業やレジャーや旅行の需要が以前ほど戻らない可能性もある。だからこそ、政府の景気刺激策が重要になってくる。

 景気刺激策の効果によって、さらにデフレが進むのか、インフレになるのかの分かれ道になる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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