惑星が形成されるかは星団内の位置で決まる ハッブル宇宙望遠鏡

2020年6月1日 07:20

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若い星団であるWesterlund 2 (c) NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), A. Nota (ESA/STScI), and the Westerlund 2 Science Team

若い星団であるWesterlund 2 (c) NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), A. Nota (ESA/STScI), and the Westerlund 2 Science Team[写真拡大]

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 惑星の形成や星の進化過程を研究する上で重要なヒントを与える星団「Westerlund 2」。誕生して200万年という若い天体だが、中心にある若い恒星を取り巻くはずの原始惑星系円盤がないことが、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で判明した。惑星が誕生するかどうかは星団内の位置によって決まるという。

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■地球も原始惑星系円盤から誕生した

 地球を含めた太陽系惑星は、「原始惑星系円盤」と呼ばれる若い太陽の周りを囲む塵やガスから誕生したと考えられている。原始惑星系円盤の有無は惑星が誕生するかどうかのカギを握る。

 米宇宙望遠鏡科学研究所の研究者らから構成されるグループは、ハッブル宇宙望遠鏡で3年間Westerlund 2の観測を続けた。地球から2万光年彼方にあるこの星団には、太陽の約80倍の質量にまで成長する超大質量星が、少なくとも30個も中心に集まっている。これらの恒星の周りには、惑星の材料となる塵の雲が存在しないことが判明した。

 その一方で、星団の周辺にある恒星には塵の雲が存在したという。ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、太陽の0.1~5倍の質量をもつ約5,000個の恒星のうち、1,500個がこうした塵の雲をもつことが分かった。原始惑星系円盤内で集積した物質が恒星の周りを公転するため、恒星からの光を一定期間遮断し、光の揺らぎが引き起こされる。この揺らぎをハッブル宇宙望遠鏡に搭載された広視野カメラ3が捕らえた。

■塵の雲が作る光の揺らぎから惑星が誕生するかが判明

 研究グループによると、Westerlund 2の中心にある超大質量星に塵の雲がないのは、恒星のサイズが原因だという。超大質量星のエネルギーが、周辺にある質量の小さい星を取り囲む原始惑星系円盤の特性を変える。円盤は残るものの、内側の塵は蒸発したり組成やサイズが大きく変わるため、惑星になる可能性がある安定した構造が誕生しにくくなるという。

 研究グループは、本成果が惑星形成や星の進化のモデルを作るのに役立つだろうとしている。

 研究の詳細は、米天文物理学誌Astrophysical Journalにて3月18日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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