NYの視点:今週の注目:パウエルFRB議長イベントや上院証言、FOMC議事録

2020年5月18日 07:35

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記事提供元:フィスコ


*07:35JST NYの視点:今週の注目:パウエルFRB議長イベントや上院証言、FOMC議事録
シカゴの投機家、投資家の先週のポジションで円の買い持ちは前々週から増加した。

今週は経済活動の再開が一段と拡大され慎重ながら楽観的見方が広がる。同時に、米中対立激化がリスクとなる。米連邦準備制度理事会(FRB)は4月会合の議事録を公表するほか、パウエルFRB議長のイベントやムニューシン米財務長官との上院証言での発言に注目が集まる。米金利先物市場では2021年にもFRBがマイナス金利を導入することを織り込み始めており、その可能性を探る。パウエルFRB議長をはじめとするFRBの高官はこぞって、マイナス金利は政策の選択肢になく、フォワードガイダンスや量的緩和(QE)を今後も活用していく方針を再表明しておりドルの下値を支えた。

ウイルスの蔓延で米中対立が激化する兆しも見える。米国のトランプ大統領は米中貿易協定を撤回し、中国と完全に断交することも検討している。米連邦職員年金基金の中国企業への投資を無期延期にしたほか中国の通信機器最大手ファーウェイへの制裁強化を発表。米中間での第3次大戦などのテイルリスクに対処するヘッジも必要と考える。

FRBは4月会合で事実上のゼロ金利政策と量的緩和の継続を決定。新型コロナウイルスの感染拡大と外出制限などの防止策が「経済活動の急激な収縮と、失業者の急増をもたらしている」と悪影響を抑制するために、営業停止で資金繰りに苦しむ企業への支援を強化し、必要に応じて追加策を取る方針を表明。ゼロ金利政策を当面維持する方針を再確認した。

中国はウイルス蔓延で3月から延期されていた全国人民代表大会を22日から開催する見通しで経済見通しなどに注目される。また、英国はEUとの離脱交渉の期限を6月末に控えて、通商交渉が難航しており、めどがたたないとポンド売りがさらに加速する可能性がある。

■今週の主な注目イベント

●米国
18日:5月NAHB住宅市場指数、ボスティック米アトランタ連銀総裁討論会

19日:4月住宅着工件数・許可件数、パウエルFRB議長とムニューシン米財務長官が上院銀行委員会で証言、ローゼングレン・ボストン連銀総裁がニューイングランド地区に与えるウイルスの影響やFRBの対応に関し講演

20日:FOMC議事録、ボスティック米アトランタ連銀総裁がウイルス対策に関する講演、ブラード・セントルイス連銀総裁討論会参加

21日:5月フィラデルフィア連銀景況指数、週次失業保険申請件数(21日)、4月中古住宅販売件数(21日)、21日:パウエルFRB議長が「Fed Listens」イベントで基調演説、新型ウイルスが米国社会に与えた影響、ウィリアムズ米NY連銀総裁、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が討論会参加

●英国
18日:ジョンソン首相、経済活動再開を模索

●欧州連合(EU)
19日:欧州中央銀行(ECB)専務理事兼首席エコノミストのフィリップ・レーン氏が域内の見通しと金融政策に関し、ウェブで講演

21日:欧州中央銀行(ECB)が金融政策要旨公表
22日:ユーロ圏3月製造業PMI、サービス業PMI

●英国
22日:4月小売売上高

●日本
18日:1−3月期GDP

●中国
22日:全国人民代表大会

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
シリア
イエメン
香港《CS》

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