大塚家具:久美子社長が語る賃貸住宅市場進出の意気込み

2020年5月4日 16:47

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「なぐ-en-システム」で提案する家具付き部屋のイメージ。(画像: 大塚家具の発表資料より)

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 昨年12月に「大塚家具がヤマダ電機の子会社に」という報に接した折り、まず頭に浮かんだのは「同床異夢」の4文字だった。

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 ヤマダ電機は傘下に高級注文住宅事業を展開する、エス・バイ・エルを有している。「順調とは言い難い」が斯界に共通した見方である。「高級路線で成長していた大塚家具の活用で立て直しを図る」というのが、ヤマダ電機が見た「夢」だった。

 大塚家具の創業者:大塚勝久氏と長女:久美子氏の「親子対立⇒久美子体制」の経緯は省くが、大塚家具が子会社化に見た夢は「枯渇状態の手元資金調達&営業力の拡充強化」だった。ちなみに久美子社長は2015年の実質上の「親子喧嘩勝利」以降、「高級・高値」路線の脱却を掲げてきた。昨年12月の段階でも「“脱”路線継続」を示していた。

 大塚家具の収益動向を振り返ると01年12月期の営業利益75億2000万円をピークに低迷状態に陥り、09年12月期には14億5000万円の営業損失に。その後も浮沈状態が繰り返され久美子社長下では営業損失(最終赤字)幅が拡大し、決算期変更となった今20年4月期も会社側予想で「66億8500万円損失、66億500万円赤字」。

 高級路線or同脱却の是非は私には断を下せない。だが要は「損失・赤字」からの脱出に光明が見いだせない限り、大塚家具の第三者割当増資に応じ約43億円を投じ51.3%の大株主となったヤマダ電機も「双方の店舗のコラボ」だけで黙して時間の経過を見守っているとは考えられない。

 そんな状況下で、全国賃貸住宅新聞の4月20日号に久美子社長のインタビュー記事が掲載された。『賃貸向け家具パッケージ販売―1Rでもくつろげる空間を』と題する記事を要約すると、以下のようになる。

★提携先で販売・集客を担う「つなぐーen―システム」を介し、(賃貸住宅オーナーに向け)家具パッケージを販売する。オーナーの空室対策に役立ててもらう。

★3月中旬に第1弾として数量限定で、10万円前後でパッケージの販売を開始した。20平方メートル以上の部屋を対象に、中には二つ以上の目的で使える家具もある。例えば高さが調節できるテーブル。食事をする時は高くして使う。仕事をする時はパソコンの作業がしやすい高さに調整できる。こうした家具が付いているだけで空間の価値がすごく上がる。

★家具付き賃貸住宅が必ずしも珍しくなくなった現状は心得ているが、今回のプランには私どもの工夫が盛り込まれている。テレビボードがなくてもタブレットの活用で済むような場合は、代わりに1人掛けのソファを入れることができるようなレイアウトになっている。家具ごとに色が選べるので、壁紙や床材に合わせた選択も可能。

★最終的には家具付きの賃貸住宅の過半数(総務省調べ:国内の賃貸住宅総数は約2000万戸)を占めるくらいまでの牽引力になりたい。諸外国では賃貸の部屋を借りる場合、ほとんどがフルファニッシュ(家具付き)。日本の賃貸探しの常識が変わるくらい進めていく。

 久美子社長の新たな施策は、現状打破のトリガーとなるのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード総務省コラボレーション大塚家具ヤマダ電機

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