米経済指標の悪化で売り優勢、一方19000円台半ばでの値固めの動きも/後場の投資戦略

2020年4月16日 12:23

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記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;19315.45;-234.64TOPIX;1420.12;-13.95

[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は14日の大幅高の半分近くを調整する形で値を消した。これまでは、米国の週間失業保険申請者件数や米雇用統計、日銀短観といった経済指標の大幅な悪化を受けても、その程度は織り込み済みといった様子の動きで、日米の株価は揃ってそこまで大きな反応をみせてこなかった。また、昨日は、IMFが2020年の世界経済成長率予測をマイナス3.0%へと大幅に引き下げたが、日経平均は88円安と小幅な調整に留まった。

 しかし、さすがに小売売上高や鉱工業生産指数といった実体経済の動向を表すものとして重要度が高い米国の経済指標が揃って予想を大きく下回ったのには反応せざるをえなかったといったところか。過去最高レベルでの減産調整の発表がありながらも再び1バレル=20ドルの節目を挟んだ水準での値動きとなっている原油価格の動向も気がかりだ。

 国内では、新型コロナウイルス対策として、与党が国民1人当たり10万円の現金給付策を求めていると伝わっているが、実施されたとしても貯蓄に回ることが想定され、消費全体の押し上げ効果は見込みにくいとの見方が多い。こうした中、目先は、引き続き新型コロナの新規感染者数や明日に控える中国の1-3月期GDPや小売売上高といった経済指標への目配せが必要な神経質な展開となりそうだ。

 しかし、それでも本日の日経平均が前引けにかけて下げ幅を縮小していくとともに、19000円台半ばで値固めをしていきていることは安心感を与えよう。市場の不安心理を表す日経VIも一時は60pt台まであったものが、じりじりと下げてきた後、今週に入ってからは、終値ベースでも30pt台を付けるようになってきた。

 依然として、平常時の水準とはいえないが、節目の40ptを切った動きを受けてか、リスクパリティ戦略の動きを表しやすいとされるバークレイズ証券について、先物手口で、昨日は珍しくTOPIX先物ではなく、日経225先物の方で日中取引に7000枚超の買いを入れる動きが観測されている。また、比較的長期筋の動きを表しやすいとされるJPモルガンのTOPIX先物手口でも、規模としてはそこまで大きくはないものの、前週8日から昨日までの間に6営業日連続で買い越してきている。

 ボラティリティの高かった相場が落ち着きをみせはじめ、日経平均が19000円台での底堅さを見せるなかで長期筋も少しずつだか様子見一本姿勢から脱し、資金を入れてきているのかもしれない。こうした中、目先の物色としては、本日も好調なマザーズ指数に代表される高成長な中小型株どころを注視していきたいところだ。(仲村幸浩)《AK》

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