アルテリアは上場来高値を更新、「緊急事態宣言」発出でテレワーク関連株買いが増勢

2020年4月10日 08:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アルテリア・ネットワークス<4423>(東1)は、前日9日に150円高の2142円と変わらずを含めて4日続伸して引け、取引時間中には2163円まで買われ、今年1月23日につけた上場来高値2036円をほぼ2カ月半ぶりに更新した。4月7日に新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向け「緊急事態宣言」が発出され、対象地域の7都府県でテレワーク移行が進み、通信データ量の拡大が予想されることから、同社の4月7日に提供を開始したデータセンター向けの専用線設備やインターネッサービス「ARTERIA光」、マンション一括契約型の「UCOM光」などに特需が上乗せとなるとして関連株買いが増勢となった。目下集計中で5月15日に発表予定の2020年3月期業績が、2期ぶりに過去最高利益を更新することも、買い安心感につながっている。

■新設の専用線設備の提供を開始しマンション一括サービスではローカル5Gも

 同社は、大都市を中心に光ケーブル網を展開し法人向けやマンション居住者向けに専用通信回線やインターネット接続サービスを提供しており、とくに「UCOM光」では、国内シェア3割とトップの位置にある。また子会社の提供している居住者専用サイト「Mcloud」が、東京建物<8804>(東1)物件に採用され、ローカル5Gサービスの検討も開始している。さらに、4月7日にはSCSK<9719>(東1)のデータセンター「netXDC千葉センター」(千葉県印西市)内に100Gbpsの専用線設備を新設して提供したばかりで、データトラフィック量の拡大に対応する。「緊急事態宣言」発出に際しては、外出自粛や企業の在宅勤務、テレワーク拡大が要請されており、通信データ量の増加が、同社業績に大きく上乗せとなる期待を高めている。

 その業績は、5月15日に発表予定の2020年3月期業績が、売り上げ507億7800万円(前期比3.2%増)、営業利益83億7200万円(同13.8%増)、税引前利益79億1200万円(同15.0%増)、純利益51億1900万円(同12.0%増)と予想され、純利益は、過去最高の46憶1000万円(2018年3月期)を2期ぶりに更新する。「ARTERIA光」の提供エリアを大阪エリアなどに拡大して受注が順調に推移し、専用線でも、受注が拡大し1契約当たりの売り上げ(ARPU)が伸びていることなどが要因となる。

 続く2021年3月期業績も続伸が有力で、東洋経済会社四季報最新号では純利益を53億7700万円と観測している。5月15日予定の3月期決算発表時の業績ガイダンスが注目される。

■年初来安値からわずか1カ月弱で最高値を上抜き青空相場に挑戦

 株価は、昨年12月の東京建物向け「Mcloud」提供をキッカケに5G関連株人気を高めて上場来高値2036円まで買い進まれ、新型コロナウイルス感染拡大による世界同時株安のなか年初来安値1488円まで大きく調整した。同安値からは売られ過ぎ修正とテレワーク関連株人気が相乗して底上げ、わずか1カ月弱で最高値を更新した。上値フシ抜けで一段の高値追を加速させ青空相場にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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