高輪ゲートウェイ駅開業を不動産投資の視点から考えてみる

2020年3月21日 11:18

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■ついに開業を迎えた新駅

 高輪ゲートウェイ駅が14日に暫定開業、営業初日を迎えた。山手線50年ぶりの新駅である点や、一時話題となったその独特な名前から開業前には大きな注目を集めていたのは、記憶に新しい。それでは、不動産投資を検討するにあたって、高輪ゲートウェイ駅がどのような意味を持つかを簡単に整理しておきたい。

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■見逃すことが出来ない大規模な再開発

 何といっても注目すべきなのは、非常に大規模な再開発であろう。元々は車両基地として使用されていた敷地は、大規模な再開発プロジェクトの一部になる。2024年には大規模な高層ビルと低層ビルが計5棟完成する予定で、オフィスや商業施設などが集積する一大エリアになる見込みだ。

 JR東日本が2014年に高輪ゲートウェイ駅開業を発表してから、およそ6年で公示地価は1.8倍上昇した。ここから、高輪ゲートウェイ駅は市場から熱視線を送られており、今後も継続的に地価が上昇することは容易に想定出来る。

■新駅開業は広範囲に与える影響を考慮すべき

 不動産投資を検討する際に必ず考慮しておきたい点は、周辺地域に与える影響がどれほどのものであるかということだ。これは高輪ゲートウェイ駅開業による影響が、当駅周辺のみに限られるわけではないとも言い換えられる。

 そもそも高輪ゲートウェイ駅の開発は、品川駅から田町駅間を対象とした「品川開発プロジェクト」の一環だ。また不動産市場において、対象地でなくてもその周辺やそこへアクセスが良い場所は、地価が上昇しやすい傾向にある。

 このように対象地だけではなく、その周辺やアクセスが良好な地域に至るまで広範囲で投資対象を検討すると良い。

■必ずしも新築物件を持った方が良いというわけではない

 中古物件よりも新築物件を持った方が良いというわけでは、決してない。この概念はどのような目的で不動産を所有するかに左右されるが、多くは中古物件の価値が懸念点になりやすいところからきている。

 しかし、中古物件でも入居が安定している点や立地条件が良い場合は、築年数が経過してもその価値を十分に維持することは可能だ。ただし、新築物件に比べると価値の下落率が大きくなるため、売却目的で中古物件を購入する場合には適さない。

 一方、新築物件は価格が中古物件よりも高く収益性は悪化しやすいが、入居の安定性でいえば中古物件よりも優れている傾向がある。

 このようにどの物件にも一長一短はあるが、高輪ゲートウェイ駅周辺は先述の通り市場から大きな注目を浴びている。そのため、新築と中古で大きな違いは生じにくいかもしれない。

■さいごに

 高輪ゲートウェイ駅開業は、間違いなく不動産市場に大きな影響を与えている。当駅周辺で不動産を保有することは理想ではあるが、金額面や供給数から難しい場合が多い。検討エリアを広くするだけでなく、自身の目的も明確にしたうえで、不動産投資を始めることが重要だ。(記事:大掛翔太・記事一覧を見る

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