クラウドソーシングの副業は稼げないのか? (3)「SEOの正体 1」

2020年3月17日 10:40

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 今回は、ライティングの副業で必要とされるスキル、「SEO」について取り上げる。クラウドソーシングでライティングの副業をする場合、SEOスキルが求められるだろう。しかし、いったいSEOとは何なのか。本記事では、その実態について考えていきたい。

【こちらも】クラウドソーシングの副業は稼げないのか? (2)「プロジェクト案件」

■SEOとはGoogle検索で上位に表示させるためのスキル

 SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取った用語で、意味は「検索エンジン最適化」である。この「検索エンジン」とは、現在ではほぼ世界中で使われている「Google検索」のことを指す場合がほとんどだ。SEOとはつまり、Googleの検索で上位に表示させるためのスキルを指している。

 あなたが普段何気なく使っている、Google検索。日頃から気になるキーワードを入力し、目的にかなうページを閲覧しているだろう。だが、その検索結果で上位に表示されるために、日々世界中の人が多くの努力を注いでいることは知らないかもしれない。また、Webで閲覧しているページの多くが、SEOスキルの結晶でもある。

 ブログ、マーケティング、特定ページへの誘導など、目的は様々だ。しかし、現在のWebライティングのほとんどで共通していることは、いかにしてGoogleで上位表示させるかというミッションである。そのため、SEOスキルはライティングで大きく重要視される。

 クラウドソーシングで案件を検索すれば、SEOスキルがどれだけ求められているか、すぐに分かるだろう。ライティングの副業で多くの報酬を得るなら、SEOは避けては通れない必須スキルとなっている。

■実はSEOには明確な根拠がない

 次に、資格のように学んでスキルを身につけようと考えるだろう。だが、調べ始めてすぐに気が付くことは、どこにも体系的にSEOを学ぶ場や手法がないことだ。

 これには、SEOがGoogleに依存していることが関係している。Googleでは、「クローラー」いう自動巡回プログラムを用い、Web上のページを評価している。その評価基準はGoogleしか把握しておらず、公開されていない。だから、評価基準を推測して、ライティングを行っているのがSEOの実態だ。

 「NORTHCUTT」というサイトのように、海外では有志がSEOの情報を共有している。こうした情報共有から、大まかな”やるべきこと”と”やらざるべきこと”の分類はされている。その上澄みが、SEOスキルを指南するページとなっているのだ。

 このように、SEOとは結果論に近い。Googleで上位に表示されたという事実が、SEO的に正しいことを示す。しかし、明確な根拠そのものは、Googleしか知らないのだ。また、Googleではサービスのクオリティを高く保つため、常に評価プログラムを更新し続けている。

 それは、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供する目的に他ならない。だが、”いいコンテンツ”とは何か、そして流動的な評価基準によって、SEOスキルも一定ではない。これが、Webライティングを難しくさせている一因になっている。同業者と差をつけるための”何か”が、常に必要とされているだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る

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