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少子化だから「できること」 未来の子どもたちに向けた、企業のCSR活動

2020年3月8日 18:20

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記事提供元:エコノミックニュース

子どもたちの育成に取り組む企業のCSR活動に注目したい。

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我が国の少子化の流れが、想定よりも早いペースで進んでいる。厚生労働省の人口動態統計によると、2019年に生まれた日本人の子どもの数は86万4000人。1899年の統計開始以来、初めて90万人を割り込むことになり、いよいよ人口が急激に減少していく時代が到来しそうだ。

 新たな時代に突入する我が国の未来を担うのは、紛れもなく現代の子どもたちだ。悲観ばかりするのは良くない。人数が少なくなるのであれば、それだけ一人一人の子どもたちに向けて手厚くアプローチすることも可能になる。その一つとして、子どもたちの育成に取り組む企業のCSR活動に注目したい。

 例えば、ハチミツの国内大手メーカー・山田養蜂場が取り組む「みつばち文庫」がある。「みつばち文庫」とは、子どもたちに読書を通じて豊かな心を育んで欲しいという願いから「自然環境の大切さ」「人と人との繋がり」「命の大切さ」をテーマに選びだした書籍を全国の小学校に寄贈している活動だ。

 実は、少子化でありながらも、日本の小学校の約3割もの図書室で本が足りていないという。文部科学省が2016年に発表した最新の「学校図書館の現状に関する調査」によると、

 平成2015年末時点での小学校の図書標準達成学校数の割合は66.4%。最近は電子書籍の利用なども増えているとはいえ、小学校に通う年齢では、やはり温かみのある紙の本にふれあうことで心を育んでほしい。そこで、山田養蜂場ではかつての農型社会において、地域ぐるみで子どもたちの成長を見守ってきたように、多くの人々とともに、子どもたちに「心の栄養」を届けていきたいという思いから、1999年に「みつばち文庫」の活動を開始。2019年までの21年間で延べ61352校に684962冊の書籍を寄贈してきた。22年目を迎える今年も、4月30日までの期間で寄贈小学校を全国から募集しているので、ぜひ利用してもらいたいものだ。

 また、事業の特色を活かした子ども向けのCSR活動を展開する企業も増えてきた。

 パナソニックでは「パナソニックキッズスクール」という活動で様々な取り組みを展開しているが、中でも小・中・高生を対象にした、キッド・ウィットネス・ニュース (KWN)というものが、今どきの子どもたちから人気を集めているようだ。

 KWNはもともと、1989年にアメリカで開始された教育支援プログラム。身の回りの社会問題をテーマにして、チームで映像作品を作り上げるという内容で、作品を出品する世界大会なども開催されている。昨今はYoutubeやTikTokなどの動画プラットフォームが小学生にも浸透してきており、子どもたちの注目度も高い。映像制作を通じて、新たな才能の発見する機会にもなるし、グローバル化する現代社会で活かせる、コミュニケーション能力の成長も期待できるだろう。

 化粧品メーカーの資生堂が取り組む「資生堂マイクレヨン プロジェクト」は、子どもたちが「自分らしさ」や「個性」の発見について考える機会になりそうだ。

 この活動は「肌色」をテーマに様々な色のクレヨンから自分の肌色を見つけるというもので、肌色といっても一つに限定されるものではなく、多くのバリエーションが存在することを知り、その違いを受け入れることで、考え方や価値観の違いを認め合うことの重要性にまで言及していく。小学生を対象にした出前授業という形式が取られており、きめ細かいサポートが出来るのも、少子化ならではの活動と言えるだろう。

 とかくネガティブに捉えられがちな少子化問題だが、少子化だからこそ出来る試みも多いのではないだろうか。積極的に展開している企業のCSR活動を手本に「できなくなる」ことよりも、未来の子どもたちに「できること」を探していきたいものだ。(編集担当:今井慎太郎)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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