「空飛ぶクルマ」の実現へJALと住友商事、米企業が業務提携

2020年2月14日 11:36

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(画像: JALの発表資料より)

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 「空飛ぶクルマ」と呼ばれる電動垂直離着陸機による移動サービスの実現に向け、日本航空(JAL、東京都品川区)と住友商事(東京都千代田区)、米ベル・テキストロンの3社が12日、業務提携を結んだと発表した。今後、日本を中心としたアジアでの事業展開に向けて共同研究を進めていく。

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 空飛ぶクルマは、ドローンと電気自動車の技術を融合した次世代モビリティ。電動モーターで複数の回転翼を回し、垂直に離着陸することができる。滑走路が不要で騒音も少ないため、渋滞が激しい都市部のほか過疎地や離島などでの交通手段として期待を集めている。

 ベルは1935年に設立されたヘリコプターの大手メーカー。80年以上前から垂直上昇機を生産するなど、先進的な技術開発に古くから取組んできた。空飛ぶクルマなどエアモビリティの分野にもいち早く参入している。

 今回の提携で3社は、日本を中心とするアジアでエアモビリティを使った移動サービスを事業化するために必要な、インフラの検討や市場調査を行う。また、安全対策や騒音対策などの課題の解決にも取組む。

 この中でJALは、航空会社としての経験を生かし、安全・安心な運航管理を行える運航プラットフォームの構築を目指す。また、住友商事は世界的な顧客などとのネットワークを活用し、新たな技術開発などに貢献する。

 空飛ぶクルマをめぐっては、日本でもスタートアップ企業のスカイドライブ(東京都新宿区)が試作品を完成させるなど開発を進め、今年夏のデモフライトを目指している。

 今後、空飛ぶクルマをめぐる各国・各企業の競争は、機体や技術を開発する段階から安全な運航体制の構築やサービスの実用化へと新たな段階に突入しそうだ。

 JALは今回の提携について「次世代のエアモビリティサービスを実現することで、災害時の対応や医療などの分野で地域の課題を解決するともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組に貢献していく」としている。

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