伊勢丹相模原店跡地を野村不動産が取得へ、複合商業ビルの開発を検討

2020年2月9日 14:41

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 2019年9月に閉店した相模原市南区相模大野の伊勢丹相模原店跡地と建物について、不動産大手の野村不動産が三越伊勢丹と売買契約を結んだことが、相模原市に入った報告で分かった。相模原市は跡地が市の中心市街地に位置するとして一定規模の商業施設が入るよう希望しており、野村不動産は住宅を中心とした複合ビルに商業施設を入れる方向で検討している。

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 売買契約の概要や今後の計画についてはまだ明らかにされていないが、相模原市は伊勢丹相模原店が相模大野地区の街づくりで「商業・文化の核」と位置づけられてきたことから、跡地開発に当たって核にふさわしい施設となるよう望んでいる。さらに、伊勢丹相模原店2階の店舗内通路が市文化会館など周辺施設を結ぶ導線となってきたことを重視し、通路機能が維持されることを強く希望している。

 本村賢太郎市長は「跡地利用について地域や市民から心配の声が上がっていたが、売買契約の相手が決まったことを受け、市や地域の思いをしっかりと伝えていきたい」とするコメントを発表した。

 小田急線相模大野駅前に立地する伊勢丹相模原店は1990年の開業。地下3階地上7階建て、売り場面積約3万平方メートルで、1996年に377億円を売り上げていたが、長引く不況とともに売り上げが低迷し、2019年9月で閉店となった。

 跡地について三越伊勢丹は近隣で約180の専門店、飲食店などが入った複合商業施設の「ボーノ相模大野」を開発した野村不動産を優先交渉権者にして、売却交渉を進めてきた。野村不動産は現在の建物を取り壊したうえで、住宅を中心とする複合ビルの建設を考えている。市の意向も踏まえ、複合ビルの中には商業施設も入る構想だが、施設の規模については決まっていないという。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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