三越伊勢丹、「伊勢丹相模原店」「伊勢丹府中店」「新潟三越」の3店閉店へ

2018年9月26日 18:51

印刷

 三越伊勢丹ホールディングスは26日、取締役会を開き、子会社の三越伊勢丹が運営する相模原市南区の伊勢丹相模原店、東京都府中市の伊勢丹府中店と、新潟三越伊勢丹が運営する新潟市中央区の新潟三越の3店を閉店することを決議した。業績不振が続く地方や郊外店を見直し、百貨店事業の収益を改善させるのが狙いで、閉店日は伊勢丹2店舗が2019年9月末、新潟三越が2020年3月22日の予定。

【こちらも】三越伊勢丹、定期宅配型EC「ISETAN DOOR」開設 オイシックスが支援

 伊勢丹相模原店は1990年の開店。店舗面積2万9,500平方メートルで、ピーク時の1997年3月期には377億円の売上高があった。しかし、消費者の購買行動の変化や競争の激化で売り上げの減少が続き、2018年3月期は195億円まで落ち込んでいる。慢性的な赤字体質で、2004年3月期からこれまでに104億円の減損損失を計上した。

 伊勢丹府中店は店舗面積3万2,400平方メートルで、1996年の開店。開店初年度の261億円をピークに売り上げの減少が止まらず、赤字が恒常化している。2018年3月期の売上高は149億円。2016年に食品売り場のリニューアル、高級スーパーのクイーンズ伊勢丹導入を進めたが、効果が上がっていない。

 新潟三越は1936年に小林百貨店として開業した。2万600平方メートルの店舗面積を持ち、ピーク時の1997年3月期に250億円の売上高があったが、郊外型ショッピングセンターの台頭などから、2018年3月期は129億円まで低下している。赤字体質改善のため、店舗のスリム化などを実施してきたが、赤字が解消できていない。

 三越伊勢丹ホールディングスは2018年3月期連結決算で最終損益が9億円の赤字となった。赤字転落は8年ぶりで、訪日外国人観光客でにぎわう都心店の黒字を地方や郊外店の赤字が上回った形だ。

 地方や郊外店の苦戦は長く続いており、事業構造改革として2017年に千葉市中央区の三越千葉店、東京都多摩市の三越多摩センター店、2018年3月に千葉県松戸市の伊勢丹松戸店を閉店するとともに、クイーンズ伊勢丹運営会社の株式売却など不採算部門の整理を進めている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事