米最新望遠鏡が太陽表面の撮影に成功 詳細が明らかに

2020年2月1日 21:30

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ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡が初撮影に成功した太陽表面写真 (c) NSO/AURA/NSF

ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡が初撮影に成功した太陽表面写真 (c) NSO/AURA/NSF[写真拡大]

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 全米科学協会は1月29日、運営するダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡が太陽表面の初撮影に成功し、従来になく詳細となった画像を公開した。

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■日系米政治家にちなんで名づけられた望遠鏡

 ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡はハワイ・ハレアカラ天文台に設置された最新望遠鏡で、主鏡の直径は約4メートルと世界最大規模だ。その名前は、日系米国人初の連邦上院議員だったダニエル・K・イノウエ氏にちなんで名づけられた。

 イノウエ太陽望遠鏡は、太陽表面をクローズアップした写真の撮影に初めて成功した。約30キロメートル四方の大きさが1枚の写真に収められるという。

 撮影された写真から、太陽全体を覆う「煮えたぎる」プラズマからなる乱流のパターンが明らかになった。各セルの大きさはテキサス州と同程度だという。

 このようなセル構造は、太陽内部から表面に向けて熱が輸送され、激しい運動の兆候を示すことを示唆している。高温の太陽プラズマは明るいセル中央部分で上昇し、暗い通路部分の表面下へと沈んでいるという。

■宇宙天気の影響を未然に防ぐのが主目的

 イノウエ太陽望遠鏡の主目的は、太陽磁場の特徴を捉えることだ。オーロラの原因でもある太陽風は人工衛星や通信機器等に障害をもたらすが、従来困難だった太陽磁場を同望遠鏡は詳細に測定することで、障害をもたらす恐れのある太陽活動の原因を特定できる。

 太陽活動を示す宇宙天気の警報が48時間前に通知され、政府や公益事業体は備えることが可能になる。

■恒星と惑星の関係解明にも役立つ

 地球にもっとも近い恒星である太陽は、1秒当たり500万トンもの水素燃料を燃やす巨大な原子炉として機能している。50億年ほど燃料を消費したのちも、45億年先まで生涯が続くという。

 太陽風が吹いていることは1950年代に発見され、影響が地球にも及ぼされることが判明した。だが現在も、太陽活動の多くは科学者を悩ませ続けているという。

 ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡は、太陽外層や磁場の様子をリモートセンシングする。これにより、恒星惑星間の磁場のつながりが深く理解できるようになるという。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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