太陽系内を高速移動する天体、UFO説裏づけの証拠となるか 国立天文台らの研究

2020年1月22日 15:35

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双曲線軌道を描く天体の概念図 (c) 国立天文台

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 太陽系外から飛来した謎の天体「オウムアムア」が観測されたのが2017年。米ハーバード大がこの天体をUFO(未確認飛行物体)だとする説が飛び出すなど、恒星間天体は話題を提供している。国立天文台は17日、オウムアムアのように極端な双曲線軌道を描く天体は太陽系外に起源をもつ可能性が高いと発表した。

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■双曲線軌道を描く天体をめぐる2つの説

 オウムアムアや2019年に発見されたボリソフ彗星は、太陽系内の天体とくらべて速度が異常に速く、極端な双曲線軌道を描いている。そのため、再び太陽系内に戻ることはない。

 これらの天体は太陽系外から飛来したという説が有力視される一方、1000天文単位以上彼方から太陽系を囲む球殻状の天体「オールトの雲」が起源だという説も残る。氷から構成される微惑星の集まりであるオールトの雲は、長周期彗星の起源だと考えられている。

■高確率で太陽系外から飛来

 国立天文台の研究者らから構成されるグループは、恒星間天体が太陽系に突入するケースと、オールトの雲の天体がほかの天体の重力によって加速されるケースの検討を行った。両ケースにおいて、どの確率でどのような軌跡になるかを調べた結果、オールトの雲を木星の数倍程の天体が通過しなければ、太陽系内の天体が高速で移動するのは難しいと判明した。

 太陽系付近を巨大な天体が通過すれば観測されるはずだが、実際には検出されていない。そのため、極端な双曲線軌道を描く天体は、太陽系外に起源をもつ可能性が高いという。

 今後は、オウムアムアのような極端な双曲線軌道を描く天体の発見が続くことが予想される。これらの天体の質量や明るさ、速度分布に関する理論研究が進めば、天体の起源が太陽系の内外のどちらかなど、詳しい議論ができるだろうと、研究グループは期待を寄せている。

 研究の詳細は、英・王立天文学会誌2月号に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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