肌の内側から潤う新しい化粧品素材を開発 富山大ら

2020年1月11日 12:33

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肌の構造とセラミド(画像: 富山大学の発表資料より)

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  • セラミドの働き(画像: 富山大学の発表資料より)
  • ginnalinBの肌への効果(画像: 富山大学の発表資料より)

 富山大学らの研究グループは、肌自身のセラミド産生能力に働きかけることで、肌の内側から体内美容成分を増やす化粧品素材を開発した。

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 理想的な肌といえば、赤ちゃんのようなみずみずしい肌だろう。そんな肌のために重要な成分のひとつが「セラミド」であり、皮膚の水分の過剰な蒸発を防いだり、バリアとなって外部の刺激から皮膚を守る働きをしている。

 皮膚に補うためのセラミドを配合した化粧品は多く存在しているが、これらは皮膚の表面に塗って吸収させるもので効果は一時的なものだったが、今回の化粧品素材は、肌内側から働きかけ、効果を持続させるものだ。

 研究は、富山大学附属病院薬剤部の加藤敦准教授、伏見製薬所、かがわ産業支援財団らによって行われた。

 セラミドは、皮膚の一番表面の層である角質において細胞と細胞の間に存在しており、油分の間に層状に水を閉じ込めて角質層の水分を保つとともに、外部からの刺激から皮膚を守る。セラミドが減少すると、肌のたるみやしわの原因にもなるため、皮膚にとって重要な成分であるが、老化や皮膚への刺激などにより減少するという。

 今回研究グループが着目したのが、メープルシロップが採れるカエデ科の原木に含まれるカエデタンニンの一種である「Ginnalin B」だ。表皮の培養細胞にGinnalin Bを添加したところ、セラミド合成酵素の遺伝子の量が増えており、実際にセラミドの産生量が増えていることも確認された。つまりGinnalin Bは、細胞によるセラミド合成を活性化していると考えられる。

 次にヒト皮膚の3次元モデルにGinnalin Bを添加して培養。表皮細胞は分化しながら皮膚の外側の細胞に変化していくのだが、Ginnalin Bを加えたモデルのほうが分化関連タンパク質の量が増えていた。つまり、肌の分化が高まり、ターンオーバーが活発になっていることがわかったのだ。これは常にフレッシュな肌を維持できるような状態になってることを意味する。

 Ginnalin Bは、本来は希少な天然物だ。カエデタンニンは多くの物質が混ざっており分離が難しいため、化粧品としては使われてこなかったが、今回合成カエデタンニンの生産方法を開発することで、低コストでの大量合成が可能となった。

 開発された化粧品は、2019年4月から伏見製薬所より販売されている。また20日から開催される「第10回化粧品開発展(COSME Tech 2020)」に出展予定である。(記事:室園美映子・記事一覧を見る

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