2020年最初の大流星群 しぶんぎ座流星群が1月4日に極大

2020年1月3日 15:44

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しぶんぎ座流星群と放射点 (c) 国立天文台 天文情報センター

しぶんぎ座流星群と放射点 (c) 国立天文台 天文情報センター[写真拡大]

 三大流星群の一つであるしぶんぎ座流星群が、1月4日に出現数のピークを迎える。三大流星群とは新年早々に出現するこのしぶんぎ座流星群、8月13日ごろにピークを迎えるペルセウス座流星群、12月14日ごろピークを迎えるふたご座流星群を指すが、これ以外の流星群は流星の出現数もあまり多くなく、根気のある天文マニアの観測対象にしかならない。

 ただし、11月17日ごろにピークとなるしし座流星群に限っては、33年周期ではあるが、1時間に数千個以上の流星が観測できる場合がある。最近では2001年に大出現があったが、過去の記録では1時間に100万個以上が観測された例もある。しかしながら、例年のしし座流星群での流星出現数は、1時間に数個程度と非常に寂しい。

 さて、しぶんぎ座流星群についてだが、2020年の日本での出現数ピーク時間帯は、1月4日の17時ごろとのことで、この前後数時間が見やすい時間帯となる。ただし、この時間帯は流星の放射点が低いため、観測はしづらいものとなるだろう。

 したがって1月4日の未明か1月4日の夜半を狙って観測するのが良いだろう。北斗七星のひしゃくの柄の下側から出現するのでそのあたりを眺めて見よう。国立天文台の予報によれば、1月5日の2時ごろの出現数は空の暗いところで1時間に20個程度とのことである。

 なお、しぶんぎ座という星座は現在の星図には見られない。18世紀末に設定された星座だが、1922年に国際天文台連合が選定した88星座からは外され現在に至っている。またこの流星群の母天体は現在のところはっきりと特定されておらず、出現数も年によってばらつきがある。

 かつては、西暦を4で割って2余る年には、出現数が多くなるという規則性があったが、最近では大出現も見られなくなっており、出現予測の難しい流星群となっている。

 流星観測は双眼鏡や望遠鏡は使わず、肉眼が一番適している。出現時間はほんの一瞬であり、写真撮影をするのであれば、出現してからシャッターを切っていたのでは間に合わないため、長時間露光をするのが良い。感度をISO1600以上にあげてなるべく広角のレンズで動画撮影すれば、見逃した流星を動画に収められる可能性もあり、効率が良い。

 デジタルカメラであれば、できるだけ撮像素子の大きなもので撮影するのが適している。その理由は撮像素子が大きいほど、感度をあげた際のノイズが発生しにくいからである。したがってデジタル一眼レフでの長時間動画撮影が最適であろう。

 高感度撮影時に一つだけ注意してほしいことがある。都会のように夜空が明るい場所では、空全体が明るく写るため、星が全く目立たなくなる。なるべく夜空が暗い場所を求めて、撮影するのが良いだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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