「ウイニングイレブン」中国版、中国のウイグル族弾圧言及の選手が消える

2019年12月21日 12:37

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記事提供元:スラド

 Anonymous Coward曰く、

 中国ではウイグル族に対する弾圧が行われているとされるが、元ドイツ代表で英プレミアリーグ所属のサッカークラブ・アーセナルに所属するメスト・エジル選手が、12月13日にSNSの個人アカウントでこのウイグル問題について訴えた(facebookへの投稿Twitterへの投稿Instagramへの投稿)。

 これに対し中国が反応し、中国国営中央テレビは急遽15日に予定されていたアーセナル対マンチェスター・シティ戦の生中継をキャンセルした。また、16日に中国外務省の耿爽副報道局長は「エジルはフェイクニュースに騙されている」という談話を発表したという(ニューズウィーク日本語版AFP)。中国ではエジル選手の名前が入ったユニフォームを燃やす行為なども行われているという。これに対しアーセナルは選手の個人的な発言であり、チームとしては中立的な立場であると表明した。しかし、プレミアリーグは中国から多額の放映権収入を得ていることなどから、アーセナルに対しては「無関心だ」と批判する声も出ている。

 そして、この問題を受け、中国の電子商取引大手で中国国外ゲームのローカライズを手掛けている網易(NetEase)もエジル選手を非難する声明を発表、配信しているコナミのサッカーゲーム・ウイニングイレブンのデータからエジル選手を削除した。

 J-CASTニュースによると、コナミはこの件について見解を述べる立場ではないとし、同ゲームの中国での運営の関与についても回答しなかった(J-CASTニュース)。

 一昔前のゲームだったら、イベントの整合性とかでデバッグ大変そうだけど、今はローカライズ先が決めたらすぐに出来るもんなんですね。ちなみに、ライバルのEAにライセンス争いで負け続けている関係上、チーム名が偽名になることで有名なウイニングイレブンですが、アーセナルはコナミのオフィシャルパートナーなのでそういった改変はなく、エジル選手にいたっては入れ墨まで忠実に再現されているらしいです。

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