歌詞表示サービスGenius、同社のコンテンツを無断使用したGoogleを提訴

2019年12月8日 08:59

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記事提供元:スラド

歌詞表示サービスを提供するGeniusは3日、同社が文字起こしした歌詞データを無断使用したと主張して、GoogleおよびGoogleに歌詞データを提供するLyricFindを米国・ニューヨークの州裁判所に提訴した(訴状: PDFThe Vergeの記事Neowinの記事)。

Googleが無断使用したとGeniusが主張するのは、Google検索で洋楽曲を検索すると検索結果上部に表示される歌詞データだ。Geniusは音楽出版社からライセンスを受けて歌詞を表示しているだけで、歌詞自体の著作権を保有しているわけではないが、音楽出版社から歌詞データが提供されることは少ない。そのため、GeniusやLyricFindのような歌詞データ提供サービスでは独自に歌詞を聞き取って文字起こししたデータを使用しており、異なるサービスの歌詞データが記号や改行位置などを含めて完全に一致する可能性は低い。

GeniusではGoogleが検索結果の歌詞表示を開始した当時から無断使用を疑っており、6月にはGeniusが無断使用の証拠をつかんだとWSJが報じていた。WSJの報道で証拠とされたのは、Geniusが一部の曲の歌詞でアポストロフィー「'」の一部を右シングルクォーテーションマーク「’」に置き換えた「ウォーターマーク#1」によるものだ。「'」をモールス符号の短点、「’」を長点に置き換えると「red handed」と読めるようになっているが、このウォーターマークをそのまま含む歌詞がGoogleの検索結果に表示されていたという。

WSJの報道後、Googleの検索結果にはウォーターマークが除去されたバージョンが表示されるようになったが、証拠隠滅を疑ったGeniusは8月にスペースの(U+0020)一部をfour-per-em -space(U+2005)に置き換えたウォーターマーク#2の埋め込みを開始したそうだ。調査のためウォーターマーク#1のみ含む歌詞、ウォーターマーク#2のみを含む歌詞、両方を含む歌詞をGeniusのWebサイトに掲載したところ、Googleの検索結果に表示される歌詞ではウォーターマーク#1のみを除去した歌詞が表示されるようになったとのこと。
訴状にはウォーターマーク#2の例としてセレーナ・ゴメスの「Lose You To Love Me」が掲載されており、最初の14個分のスペースを飛ばしてU+0020をモールス符号の短点、U+2005を長点に置き換えると「genius」と読めるようになっている。現時点ではGoogleで「lose you to love me」の検索結果に表示されるLyricFind提供の歌詞にはウォーターマークがそのまま残っている。Lose You To Love Meは10月23日にリリースされ、Geniusのスタッフは10時間ほどで文字起こしを完了。その日だけで60万アクセスを達成し、11月2日までGoogleの検索結果でもトップに表示されていたが、11月3日にGoogleが歌詞表示を開始すると検索結果からのクリックスルーレートが75%から5%まで低下したという。

これらの証拠からGeniusでは、GoogleとLyricFindがGeniusの使用規約に違反して歌詞データを流用していることや、独自に文字起こしした歌詞データだと虚偽の表示をしていること、Googleが優越的な立場を悪用して検索結果に歌詞全文を表示することでユーザーを自社サイト内に囲い込んでいることなどを挙げ、損害賠償や歌詞データ流用に対する差止命令などを求めている。

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