コンビニのカラクリ(1) 加盟店の経営効率とは無縁な本部

2019年11月22日 09:13

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 1975年にセブン-イレブン(セブン)が始めたとされる24時間営業は、加盟店にとっては客足が落ち着く深夜時間帯に,効率的な商品の陳列と清掃作業が出来るメリットがあり、1日中フル稼働できる弁当等の製造工場にとっても、最小の設備投資で最大の効率を生み出す成功したビジネスモデルだと喧伝されて来た。

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 人手が潤沢に供給されて、人件費を大きな負担と感じない時代の、ノスタルジックな思い出と言って良いだろう。

 コンビニのビジネスモデルは、本部の利益が優先されるシステムとなっている。

 売上から原価を控除した残りの約半分を、ロイヤリティとして徴収する。この際、販売期限が経過した商品は、原則として加盟店の負担で廃棄処分される。つまり、店舗でどんなに廃棄処分が出ても、本部の売上は増加しロイヤリティ収入が増える。結果として、加盟店により多くの商品を仕入れさせることが、本部収益増加のポイントとなる。

 このため、「販売機会の喪失を防ぐ」ことを口実に、積極的な仕入れを加盟店に奨励することが本部担当者の大きな役割になってきた。

 24時間営業もこの流れで考えると分かり易い。加盟店によって差があるとは言っても、深夜の11時から早朝の7時までの売上はそれほど多くない。そんな時間帯に、深夜割増の人件費を負担して、商品の陳列と清掃作業をすることにメリットが見出せるほど余裕のある加盟店は少ない。

 大雑把に、加盟店が本部から仕入れる商品単価の80%が商品原価、残り半分の10%ずつが本部ロイヤリティとオーナーの取り分とする。実際にはもっと複雑な割振りがあるものの、概ねこんな割合で配分される。

 深夜時間帯の1時間毎に1万円の売上があったと仮定すると、8時間で深夜の売上は合計8万円になる。売上から8割の原価と、粗利の50%に相当するロイヤリティを控除すると、8千円がオーナーの手元に残る。深夜の時間帯に2名のパートを割増の時給1100円で雇用すると、人件費は1万7600円になる。オーナーは1日の深夜営業をする度に、9600円の赤字を出すことになる。元気のあるオーナーはパートを1名にして自分がレジに立ったりするが、それでやっとプラマイゼロになる。もちろん、毎日そんなことは出来ない。

 2万店の加盟店すべてで同一時間帯(23~7時)の売上が8万円だったとすると、1店舗当り8000円のロイヤリティが2万店分集まる。本部には深夜営業の時間帯に一晩で合計1億6000万円ものロイヤリティが集まる。

 個々の加盟店では赤字になっても、本部には多額のロイヤリティ収入が転がり込む。本部の利益ばかりを気にする経営者が、こんなうまい話は逃したくないと考えた挙句、「24時間営業は絶対やめない」と口にしても不思議ではない。(2)に続く(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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